近年、急速に目にする機会が増えた応援広告。応援広告とは、ファンが推しの誕生日やデビュー記念日などを祝うために出す広告のことです。

韓国では「センイル(誕生日)広告」とも呼ばれ、ファン同士でお金を出し合って、駅や街頭のビジョンに掲出する文化があります。

私はかつてPR代理店に勤務していましたが、従来、国内の主要な交通広告は、企業が広告代理店を通して出すことを前提にしたもので、有志の団体が気軽に申し込める場ではありませんでした。しかし近年は、センイル広告の文化が日本でも知られるようになり、ファン向けの専門窓口を設ける広告会社などが増えています。いまでは、ファン有志が駅に応援広告を出すことも珍しくなくなりました。

ジェイアール東日本企画による「推し活・応援広告調査2025」によると、首都圏(一都三県)での応援広告の認知率は、2022年の26.1%から2025年には32.3%に上がっています。同調査では、ファン1人あたりが「年間に応援目的で出してもよい」と思える金額も、前年の調査の2.7万円から3.4万円に増えました。

一方で、まとまった金額を代表者が個人で集めて支払うとなると、お金の管理や税金、規約などで気をつけたい点も出てきます。ここからは、駅の応援広告にかかる費用と、代表者が押さえておきたいポイントを見ていきます。

※「推し活・応援広告調査2025」は、全国の15〜79歳の男女2万2009人を対象に、2025年12月26日〜2026年1月9日にインターネットで実施された調査です。

1. 駅の応援広告はいくらかかる?

1.1 広告枠の料金は「1週間・1枚」が基本

駅のポスター広告は、7日間単位で掲出するのが一般的です。ジェイアール東日本企画の応援広告事務局「Cheering AD」では、JR東日本の駅のB0ポスター1枚・7日間の料金を、駅ごとに公開しています。

2026年10月26日時点の料金を見ると、東京都内では中野駅が7万6000円、蒲田駅や錦糸町駅が5万6000円、高円寺駅や千駄ヶ谷駅が3万6000円です。一方、長野県の松本駅は1万8700円、栃木県の足利駅は1万4300円と、地方の駅では1万円台のところもあります(いずれも税別、デザイン制作費は含まない)。

都内の乗降客が多い駅では5万〜8万円ほど、地方の駅なら1万円台からが目安です。小田急の応援広告サービス「OUR PUSH」でも、新宿や町田など主要駅のB0ポスター(1週間)の広告掲載費は6万4000円(税別)となっています。デジタルサイネージや大型ビジョンでは、数万〜数十万円かかることもあります。

1.2 総額は「枠代+α」で考える

応援広告では、枠の料金のほかにもお金がかかります。OUR PUSHが示す、下北沢駅でB0ポスターを1週間出す場合の目安は次のとおりです。広告掲載費6万4000円(税別)に、権利確認費用2万5000円、デザイン制作費3万円、印刷費(送料込み)1万8000円が加わり、この4項目の合計は13万7000円で、ここにシステム利用料(集金額の10%)なども加わり、目標金額の目安は約17万円とされています。

権利確認やデザイン、印刷を自分たちで手配する場合は金額が変わりますが、枠代が6万円台でも、ファンに呼びかけて集める金額は、その2倍以上になる計算です。