お札をうっかり破ってしまった……。そんなトラブルに直面した経験がある方もいるのではないでしょうか。実は、破れたお札の交換で戻る額は、手元に残った紙片を合わせた面積で決まります。日本銀行の引換基準では、同じお札の紙片が2つ以上あれば面積を合計して判定してくれるため、破れた小さな紙片を捨ててしまうと戻る額が減ることがあります。
カビで変色したお札や、細かく破れたお札も、持ち込む前の整理のしかたで判定に使える面積が変わります。傷んだお札は、捨てたりはがしたりする前に、紙片をどうまとめておくかを知っておきたいところです。
ここでは、日本銀行の案内で紙片の扱いと持ち込む前の整理を確かめ、2つに破れた1万円券と、まとめて見つかったお札を例に、戻る額を試算します。
※引換基準と持ち込みの際の整理は、日本銀行「損傷銀行券の引換基準」「日本銀行が行う損傷現金の引換えについて」(2026年11月4日に確認)をもとにしています。
1. お札の交換は紙片を合わせた面積で判定?表・裏両面があり、合計で3分の2以上残れば全額
日本銀行「日本銀行が行う損傷現金の引換えについて」は、銀行券の紙片が2つ以上あり、同じ銀行券の紙片だと認められるときは、各紙片の面積を合計した面積をその券面の残存面積として基準を当てはめるとしています。基準は、表裏の両面がそろっている銀行券が対象です。
- 【合計の面積が3分の2以上】全額として引換え
- 【合計の面積が5分の2以上、3分の2未満】半額として引換え(1円未満は切り捨て)
- 【合計の面積が5分の2未満】失効
仮に、1万円券が2つの紙片に破れ、大きい紙片が券面の55%、小さい紙片が15%だったとします。
- 【2つの紙片をそろえて持ち込む】面積70%で3分の2以上となり、1万円
- 【大きい紙片だけ持ち込む】面積55%で5分の2以上3分の2未満となり、5000円
- 【小さい紙片だけ持ち込む】面積15%で5分の2未満となり、0円
※試算の前提:紙片の面積の割合は仮に置いたものです。3分の2は約66.7%、5分の2は40%として当てはめています。
2. お札の交換の前に紙片はどう整理する?弱いテープで貼り合わせ、貼れなかった紙片も全部持ち込む
日本銀行は、持ち込む前の整理として、破れた銀行券は表裏両面が確認できる状態で、紙テープなど粘着性の弱いテープで、できる限り各片を貼り合わせるよう求めています。
- 【貼れなかった紙片】「鑑定の参考としますので、すべてお持ち込みください」とされている
- 【細かく裁断された紙片】シュレッダーなどで細かくなったものは、そのままでは同じ銀行券の紙片と認めるのが難しいため、各片を貼り合わせる
- 【貼り合わせの注意】記番号・模様・色合いを確かめ、別のお札の紙片を貼り合わせない
日本銀行は、同じ銀行券の紙片だと認められる紙片だけを合計した面積で判定します。別のお札の紙片を混ぜて貼っても、面積は増えません。
カビで変色したお札について、日本銀行の案内に「カビ」という言葉そのものはありません。引換えの対象は「汚染、損傷その他の理由により使用することが困難となった銀行券」で、変色したお札も残っている面積で判定する扱いになります。
- 【濡れたお札】できる限り1枚ずつの状態で乾かす
- 【付着物】できる限り取り除く
- 【焼けて崩れそうなお札】箱に入れるなど、できる限り原形を崩さずに持ち込む。粉々になると「失効と判断することがあります」
灰になったお札も、その灰が銀行券だと確認できれば面積に含まれます。日本銀行「教えて!にちぎん」は、灰などの細かい部分も集め、適当な容器に入れて持ち込むよう案内しています。