四十九日を終えると、亡くなってから2年ほどの間に、初盆、一周忌、三回忌と法要が続きます。そのたびに迷いやすいのが、初盆や法要のお布施の相場です。

お布施の相場について公的な資料を探したところ、法要ごとの金額を集計した公的な統計は見当たりませんでした。ここでは、全日本仏教会の見解と調査、曹洞宗の年回表をもとに、分かっていることと分かっていないことを分けて確かめます。

あわせて、家族の法要をどこまで営むべきと考える人がどれくらいいるのか、三回忌までの法要の時期、お布施のほかにお寺に確かめておきたい項目を整理します。

※法要についての割合は、全日本仏教会・大和証券「仏教に関する実態把握調査(2022年度)」(2022年12月、全国の20〜79歳6184人の回答〈ウエイトバック後〉)をもとにしています。

1. お布施の相場は決まっている?全日本仏教会は定額での表示に反対し、目安の金額を示していない

古い引用となってしまいますが、全日本仏教会は、2015年12月24日の理事長談話で「お布施は、サービスの対価ではありません。」としています。

私がニュース編集に従事していたころの話題として強く記憶に残っていますが、2011年3月には、葬儀関連のサイトに載った全国統一のお布施の金額と、葬送儀式のプランの価格一覧について、運営会社に削除を要請したことが話題になりました。要請の文書では、お布施は喜捨の精神にもとづく仏教的な行為だとされ、目安の金額などの取り扱いには慎重になっていた様子がうかがえます。

その後、インターネットで葬儀や僧侶の手配を受け付けるサービスの中には、お布施を定額で示すところも出てきました。読経や戒名など内容ごとに金額を載せている例もあり、「金額の目安を知りたい」という声に応える形で、お布施の額を前もって示す動きも広がっているようです。ただし、こうした金額はそれぞれのサービスが決めたもので、全国の相場を表すものではありません。

お布施の額の目安については、親族や地域の信頼のおける人に相談するか、お寺や葬儀会社にたずねるというのが現実的な対応になるといえます。

2. お布施の相場を示す公的な統計は?法要ごとの金額を集計した国や公的機関の統計は見当たらない

お布施の相場について、国や公的機関が法要ごとの金額を集計した統計は、2026年11月4日時点で見当たりませんでした。全日本仏教会・大和証券の2022年度の調査も、お布施の決め方や葬儀・法要での不安は聞いていますが、金額は聞いていません。

先述した通り民間の調査や葬儀社の案内には、金額の目安が載っていることがあります。ただし、調べた相手や時期によっても異なるため、ある1つの金額を全国の相場として扱うことはできません。

曹洞宗の公式サイトの「法事の営み方」も、地方によって慣習があるとして、事前に菩提寺に「よくお伺いしておく」ことを勧めています。