2. 繰り上げ返済は12月か1月か、100万円なら今年の控除に「7000円」の差
同じ100万円を返す場合でも、返す日が年をまたぐかどうかで、今年の控除額が変わります。
2.1 1月に返せば、今年の年末残高は変わらない
繰り上げ返済を年明けの1月にすると、今年の年末残高はそのままです。そのため、今年の控除額は減りません。
来年の年末残高は、12月に返しても1月に返しても、どちらも100万円少なくなります。すなわち、差が出るのは「今年の控除」だけです。
2.2 1か月早く返して減る利息との比べ方
一方で、12月に返せば、1月に返すより1か月早く利息が減ります。借入金利が年1.0%と仮定すると、100万円にかかる利息は1か月で約833円です。
- 12月に返して減る今年の控除:最大7000円
- 1か月早く返して減る利息:約833円(年1.0%と仮定)
この仮定なら、年明けに返すほうが約6000円有利な計算になります。ただし、実際の利息は返済方法や返済日、適用金利によって変わります。目安としてとらえてください。
3. 年末残高の0.7%が控除の上限を超えている人は、100万円返しても控除が変わらない
繰り上げ返済で控除が減らない人もいます。主に次の2つの場合です。
3.1 年末残高の0.7%が控除限度額を上回っている
たとえば2024年にZEH水準省エネ住宅に入居した人(特例対象個人に当たらない場合)の控除限度額は、年24万5000円です。年末残高でいえば3500万円の0.7%にあたります。
年末残高が4000万円の人が100万円を返しても、残高は3900万円です。0.7%は27万3000円で限度額を上回るため、控除額は24万5000円のまま変わりません。この場合は、12月に返しても1月に返しても、今年の控除に差が出ないことがわかりますね。
子育て世帯や若者夫婦世帯(特例対象個人)で同じ住宅に入居した人は、限度額が年31万5000円です。年末残高でいえば4500万円の0.7%にあたるため、残高が4500万円を超えている間は、繰り上げ返済をしても今年の控除は変わりません。
3.2 控除額が納める税金より多い
住宅ローン控除は、納める税金から差し引くしくみです。控除額がもともと納める税金より多い人は、控除額が少し減っても、戻ってくる税金が変わらないことがあります。
ご自身がどちらに当たるかは、昨年の源泉徴収票にある住宅ローン控除の額と、年末残高等証明書の残高で確かめてみてください。
年末残高の0.7%が限度額を下回っていて、控除を使い切れている人は、12月中に返すと返した額の0.7%だけ今年の控除が減ります。こうした人で年内の繰り上げ返済を考えているなら、返す日を年明けの1月にずらせないか、借入先の金融機関に確かめてみましょう。
では、繰り上げ返済に回すお金を預金に置いておいた場合と比べると、どちらが有利なのでしょうか。