2. 戸建ての維持で工事が増えるのは築何年ごろ?1981〜1990年に建った持ち家は38.7%が2019年以降に工事
総務省「令和5年住宅・土地統計調査」によると、2023年10月時点の持ち家3387万6千戸のうち、1990年以前に建った住宅は約1377万戸で、約40.7%を占めます(建築の時期が不詳の住宅を含む総数に対する割合)。高齢者のいる世帯の81.6%は持ち家に住んでいます。
同じ調査で、2019年以降に増改築・改修工事等をした持ち家の割合を、建築の時期別に見ると次のとおりです。
- 【1970年以前】34.7%
- 【1971〜1980年】37.6%
- 【1981〜1990年】38.7%(うち屋根・外壁等の改修工事16.0%、台所・トイレ・浴室・洗面所の改修工事24.3%)
- 【1991〜2000年】34.7%
- 【2001〜2010年】23.3%
- 【2011〜2020年】11.3%
2023年時点で築30年を超える1981〜1990年の持ち家で、工事をした割合が最も高くなっています。持ち家全体では28.8%でした。
国土技術政策総合研究所がまとめた戸建て木造住宅の維持管理業務に関する指針(案)では、維持保全計画の例として、外壁の塗り替えやシーリングの打ち替え、バルコニーの防水は10年ごと、給湯器の本体交換は15年ごと、システムバスやシステムキッチンの本体交換は30年が示されています。
例のとおりに進むと、築30年前後は外壁などの3回目の工事と、浴室・台所の入れ替えが重なる時期にあたります。
3. 戸建ての維持費と賃貸の家賃を比べると?平均のリフォーム1回分は、木造の民営借家の家賃約32か月分
総務省「令和5年住宅・土地統計調査」によると、2023年の借家(専用住宅)の1か月当たり家賃(全国)は、民営借家(木造)が5万4409円、民営借家(非木造)が6万8548円です。
一戸建てのリフォーム資金の平均(約172万円)と中央値(85万円)を、この家賃で割ると次のとおりです。
- 【民営借家(木造)】平均の1回分は家賃約32か月分、中央値は約16か月分
- 【民営借家(非木造)】平均の1回分は家賃約25か月分、中央値は約12か月分
仮に、平均規模(約172万円)の工事を10年に1回するとした場合、10年間の工事費は約172万円です。同じ10年間に木造の民営借家に住むと家賃は約653万円、非木造の民営借家なら約823万円になります。
※試算の前提:リフォーム資金は国土交通省「令和7年度 住宅市場動向調査」の三大都市圏の一戸建ての値、家賃は総務省「令和5年住宅・土地統計調査」の全国の値で、地域はそろえていません。10年に1回は、国土技術政策総合研究所の維持保全計画の例で外壁の塗り替えが10年ごとであることから置いた仮の前提です。持ち家の固定資産税や火災保険料、賃貸の入居時の費用や更新料などは含みません。
家賃は毎月かかり続けるのに対し、戸建ての工事費は時期がまとまってやって来ます。住み替える場合は、いまの家を売る・貸すなどで得られるお金も、比べる材料になります。