3.2 65歳からは、自分の老齢厚生年金が先に支給される

65歳以上で遺族厚生年金と自分の老齢厚生年金の両方を受け取る権利がある場合、老齢厚生年金は全額支給され、遺族厚生年金は老齢厚生年金に相当する金額の支給が止まります。自分が納めた保険料を年金に生かすためのしくみといえるでしょう。

65歳を迎える前に、自分の老齢年金がどのくらいになるのかを、ねんきんネットや毎年届くねんきん定期便で見ておくと、65歳からの受け取りの姿を思い描きやすくなります。

なお、2025年の法改正で、子のない配偶者の遺族厚生年金は2028年4月から見直される予定です。すでに遺族厚生年金を受け取っている人や、2028年度に40歳以上になる女性などは、この見直しの影響を受けないとされています。

見直しが当てはまるかどうかは、受け取り始める時期や年齢によって変わるため、自分が対象になるかを落ち着いて確かめておきたいところです。

3.3 【例】妻が35歳・子が10歳のときの流れ

たとえば、夫が会社員のときに亡くなり、そのとき妻が35歳・子が10歳だった場合、妻が受け取る年金は、65歳までに次のように移り変わります。

例)夫が会社員のときに亡くなり、妻が35歳・子が10歳だった場合 妻が受け取る年金の流れ2/2

例)夫が会社員のときに亡くなり、妻が35歳・子が10歳だった場合 妻が受け取る年金の流れ

出所:日本年金機構「遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)」、日本年金機構「遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)」をもとにLIMO編集部作成

  • 子が18歳になった年度の3月31日まで:遺族基礎年金(子の加算額つき)と遺族厚生年金
  • その後、妻が65歳になるまで:遺族厚生年金と中高齢寡婦加算(年63万5500円)
  • 妻が65歳から:自分の老齢基礎年金と老齢厚生年金(全額)、遺族厚生年金は老齢厚生年金に相当する金額が支給停止

4. 【わが家で確かめる】受け取れる期間を書き出し、12月の振込と並べる

遺族年金がいつまで続くかは、子の年齢や妻の年齢など、家族ごとの事情で変わります。わが家の場合を、手元の書類と日付で確かめておきましょう。

まず、年金証書や年金振込通知書で、受け取っている年金の種類と金額を確かめておきましょう。遺族基礎年金と遺族厚生年金のどちらを受け取っているのか、中高齢寡婦加算がついているのかを、書き出しておくと整理しやすくなります。

次に、子の誕生日から18歳になった年度の3月31日を数え、自分が40歳・65歳になる年月も書き出しましょう。遺族基礎年金が終わる時期と、加算が始まる時期・終わる時期が、1枚のメモで見えやすくなります。

そして、2026年12月15日に振り込まれる10月分と11月分の金額を、書き出した時期と並べてみましょう。年金が変わる時期の前に、毎月の支出をどう組み直すかを考えるきっかけになるはずです。

自分の場合がどれにあたるかがわからないときは、日本年金機構の窓口で確かめておくと安心でしょう。

5. まとめにかえて

遺族年金をいつまで受け取れるかは、遺族基礎年金は子の年齢、遺族厚生年金は夫を亡くしたときの妻の年齢と子の有無によって決まります。

年金が変わる時期は、前もって数えておくことができます。いつまで受け取れるかを先に書き出し、これからの家計を少しずつ準備していきましょう。

参考資料

宮野 茉莉子