5. 途中でお金が必要になったら?国債の中途換金と株の売却

個人向け国債は、発行から1年が過ぎれば、国に買い取ってもらう形で中途換金できます。言いかえると、最初の1年間は原則として手放せないお金になります。10月募集分なら、中途換金できるのは2027年11月16日以降です。

中途換金するときは、直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685が差し引かれます。10月募集分の固定5年を100万円買った場合、半年分の利子1万1950円の2回分に0.79685を掛けた、約1万9044円が差し引かれる計算です。

一方、株はいつでも売れますが、売れる値段はそのときの株価しだいです。たとえば東日本旅客鉄道を11月2日の終値で100株買い、株価が10%下がったところで売ると、3万6940円の値下がりになります。会社予想の年間配当8800円(100株分・税引前)の4年分を上回る額です。

反対に、株価が上がれば値上がりの分も受け取れます。配当利回りが同じくらいでも、国債と株では、途中で手放すときの結果の幅が大きく違うということです。

また、10月は国債の利回りが下がりましたが、この先の金利の動きは分かりません。11月募集分の利率が10月募集分より低くなることも、高くなることもありえます。株の配当利回りも、株価が動けば毎日変わります。

いつ使うお金なのか、値下がりしても待てるお金なのかを先に決めておくと、国債と株のどちらが合うかを判断しやすくなります。

6. まとめ

日本銀行は10月30日の金融政策決定会合で、無担保コールレートを1.25%程度とする方針を据え置きました。10月は国債の利回りが下がり、期間5年の国債は10月1日の2.407%から30日には2.237%になりました。

直近の10月募集分の固定5年は年2.39%で、100万円あたりの手取りの利子は年1万9000円ほどです。配当利回りで見ると、東日本旅客鉄道や丸紅が税引前で、中外製薬や豊田通商がNISAの手取りで、これに近い水準にあります。

ただし、個人向け国債はNISAでは買えず、株には株価の変動や減配のリスクがあります。11月募集分は11月6日に利率がわかり、11月9日から30日まで申し込める予定です。利率と配当利回りの数字だけで決めず、お金を使う時期と、途中で手放す可能性まで考えて選びましょう。

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄・商品の売買を助言・推奨するものではありません。株価・配当予想は2026年11月2日時点のもので、今後変わる可能性があります。投資の判断はご自身の責任でお願いします。

参考資料

高原 祥子