3. 配当利回りが2.39%に近い株は?
株の配当にも、特定口座や一般口座で受け取る場合は、国債の利子と同じ20.315%の税金がかかります。そのため、税引前の配当利回りが2.39%に近い株なら、税金を引いた手取りも国債とほぼ同じ水準になります。
11月2日の終値と、会社が予想している年間配当から計算すると、配当利回りが2.39%に近い銘柄には、たとえば次の2つがあります。
【東日本旅客鉄道<9020>】
- 株価(11月2日終値):3694円
- 年間配当(会社予想・2027年3月期):88円
- 配当利回り:2.38%
- 最低購入金額(100株):36万9400円
【丸紅<8002>】
- 株価(11月2日終値):4821円
- 年間配当(会社予想・2027年3月期):115円
- 配当利回り:2.39%
- 最低購入金額(100株):48万2100円
※丸紅は11月4日に決算発表予定
税金を引いた後の利回りは、どちらも約1.90%で、10月募集分の固定5年の税引後利率(年1.9044715%)とほぼ並びます。
ただし、株は100株単位で買うため、国債のように1万円単位で金額を合わせることはできません。株価は日々動き、配当予想も業績しだいで変わります。丸紅は11月4日に決算の発表を予定しており、配当予想が見直される可能性もあります。
また、どちらも3月決算の会社で、9月末の中間配当の基準日はすでに過ぎています。いまから買う場合、2027年3月期の配当で受け取れるのは期末配当の分だけになる点にも注意が必要です。
4. NISAなら、手取りで国債と並ぶ株は?
NISAの成長投資枠で買った株の配当には、税金がかかりません。ただし、配当の受け取り方を、証券会社の口座で受け取る「株式数比例配分方式」にしておく必要があります。この場合、配当利回りがそのまま手取りの利回りになります。
前の章の2銘柄をNISAで持てば、手取りの利回りは2.38~2.39%で、国債の手取り(約1.90%)を上回ります。反対に、NISAで受け取る配当の手取りが国債の手取りと同じくらいになるのは、配当利回りが1.90%前後の銘柄です。11月2日の終値で見ると、たとえば次の2つがあります。
【中外製薬<4519>】
- 株価(11月2日終値):6843円
- 年間配当(会社予想・2026年12月期):132円
- 配当利回り:1.93%
- 最低購入金額(100株):68万4300円
【豊田通商<8015>】
- 株価(11月2日終値):6618円
- 年間配当(会社予想・2027年3月期):125円
- 配当利回り:1.89%
- 最低購入金額(100株):66万1800円
ここまでの数字を、100万円あたりの年間の受取額にそろえると次のとおりです。株は100株単位で買うため、実際にはぴったり100万円分を買うことはできず、あくまで比べるための編集部の試算です。
- 個人向け国債・固定5年(10月募集分):手取り約1万9044円(税引前は2万3900円)
- 東日本旅客鉄道:NISAなら約2万3822円、特定口座なら約1万8983円
- 丸紅:NISAなら約2万3854円、特定口座なら約1万9008円
- 中外製薬:NISAなら約1万9290円
- 豊田通商:NISAなら約1万8888円
中外製薬は12月決算の会社で、6月末の中間配当の基準日は過ぎていますが、12月末に期末配当の基準日を迎えます。豊田通商は3月決算で、東日本旅客鉄道・丸紅と同じく、中間配当の基準日は過ぎています。
受け取れる額だけを見れば、国債の利子と株の配当は近い水準にあります。違いは、国債は満期まで持てば買ったときの金額が戻ってくるのに対し、株は株価が下がれば元手が目減りし、配当が減ることもある点です。
5年ほど使う予定のないお金の置き場所を考えている人は、11月6日に公表される11月募集分の利率を確かめたうえで、配当利回りや株価の動きと並べて検討してみましょう。NISAの枠を使うかどうかも、比べるときの大事な条件です。
次は、途中でお金が必要になったときの違いを確かめます。