年金を受け取りながら働く人もいれば、仕事を離れて暮らす人もいます。高齢の世帯が1年間に実際に使えるお金は、収入の金額だけでなく、そこから引かれる税金や社会保険料によっても変わってきます。
毎月の入金は通帳で見ていても、1年分にするといくらになるのか、ほかの世帯と比べてどうなのかは、なかなか見えにくいものです。
総務省統計局が2026年8月28日に公表した令和6年全国家計構造調査の所得に関する結果では、年間収入から税金や社会保険料を差し引いた「年間可処分所得」、いわゆる手取り収入を、世帯主の年齢別に見ることができます。
本記事では、65歳以上の世帯の1年間の手取りを、二人以上の世帯と単身世帯に分けて、5歳刻みの一覧にしました。
記事の後半では、無職世帯の手取りや、1か月あたりにならした目安、わが家の1年間の手取りを確かめる方法も紹介します。
1. 【年間手取り収入の一覧表】二人以上の世帯の「1年間の手取り」は65~85歳以上までみんないくらか
用語の解説によると、年間収入は過去1年間(令和6年調査では2023年11月から2024年10月まで)に経常的に得た税込みの収入で、勤めや事業による収入、年金や給付金などが入ります。
退職金や相続で得た預貯金のような一時的な収入は入りません。年間可処分所得(従来型算定)は、この年間収入から「所得に課される税・社会保険料」を引いた金額です。
1.1 【二人以上の世帯の手取り一覧表】65〜69歳から85歳以上まで
世帯主の年齢別に見た、二人以上の世帯の1年間の手取りは次のとおりです。
- 65〜69歳:584万5000円(税・社会保険料110万2000円)
- 70〜74歳:525万1000円(税・社会保険料91万8000円)
- 75〜79歳:451万6000円(税・社会保険料71万4000円)
- 80〜84歳:420万円(税・社会保険料66万8000円)
- 85歳以上:418万2000円(税・社会保険料67万2000円)
- 65歳以上の平均:489万6000円(税・社会保険料83万7000円)
二人以上の世帯では、65〜69歳から85歳以上まで、年齢が上がるにつれて1年間の手取りは少なくなっています。65〜69歳と80〜84歳を比べると、1年間で164万5000円の差があります。
1.2 差し引かれる税金や社会保険料も、年代によって違う
差し引かれる税金や社会保険料は、65〜69歳で110万2000円、80〜84歳で66万8000円です。手取りを考えるときは、収入の金額だけでなく、そこから差し引かれる分も合わせて見ることが大切です。年代によって差し引かれる分が違うことも、手取りを読むときの視点のひとつといえるでしょう。
一覧の数字は、働いている世帯も、仕事をしていない世帯も含めた平均です。無職世帯の手取りは、後半で年齢別に見ていきます。毎月の手取りを調べたほかの統計とは、調べ方や対象の範囲が違うため、金額をそのまま比べられない点に注意が必要です。