物価高が続き、年末に向けてお金の使い方を見直したくなる時期です。パーソナルジムの会費のような固定費を減らしたいと考えている方もいるのではないでしょうか。パーソナルジムを途中解約(中途解約)したら、払った料金はどれだけ返金されるのか。数か月分をまとめて払うコースでは、通えなくなったときの返金の扱いが気になります。

パーソナルジムの途中解約や返金をめぐっては、国民生活センターが2026年10月7日に、パーソナルトレーニングの契約トラブルへの注意を呼びかけました。ここでは、エステや語学教室のように法律で中途解約の上限が決まっている役務に、パーソナルジムが入るかを消費者庁の公表で確かめます。

あわせて、上限のある役務なら返金はいくらになるかを契約額10万円あたりで試算し、相談の件数と事例も確かめます。

※相談件数は、国民生活センター「パーソナルトレーニングに関する契約トラブル」(2026年10月7日公表)の、PIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)に登録された相談の件数です。

1. パーソナルジムの途中解約は特定商取引法の上限の対象か 消費者庁が示す7つの役務に入っておらず、返金は契約書の規定が基準

消費者庁「特定商取引法ガイド」によると、特定継続的役務提供は「長期・継続的な役務の提供と、これに対する高額の対価を約する取引」です。いま対象になっているのは、次の7つの役務です。

  • 【エステティック・美容医療】期間が1か月を超え、金額が5万円を超えるもの
  • 【語学教室・家庭教師・学習塾・パソコン教室・結婚相手紹介サービス】期間が2か月を超え、金額が5万円を超えるもの

この7つの役務の契約には、クーリング・オフ(法律で決められた書面を受け取った日から8日以内)と、中途解約のときに事業者が請求できる額の上限が定められています。

パーソナルジム(パーソナルトレーニング)は、この7つの役務に入っていません。そのため、7つの役務のような中途解約の上限は使えず、パーソナルジムを途中解約したときの返金は、契約書や利用規約の規定が基準になります。

なお、解約料や違約金の額については、消費者契約法9条に、事業者に生ずべき「平均的な損害の額」を超える部分を無効とする定めがあります。

2. パーソナルジムの途中解約の返金に法律の上限はない 上限のあるエステなら契約額10万円を前払いし半分の期間で解約すると少なくとも約4.5万円

消費者庁「特定商取引法ガイド」によると、7つの役務を途中で解約したときに事業者が請求できるのは、役務の提供が始まった後なら、提供された役務の対価に相当する額に、次のいずれか低い額を加えた額までです。

  • 【エステティック】2万円か、契約残額の10%
  • 【美容医療・語学教室・パソコン教室】5万円か、契約残額の20%
  • 【結婚相手紹介サービス】2万円か、契約残額の20%
  • 【家庭教師】5万円か、1か月分の授業料に相当する額
  • 【学習塾】2万円か、1か月分の授業料に相当する額

この上限を、契約額10万円を前払いし、契約期間の半分で解約した場合に当てはめると、次のとおりです。

  • 【エステティック】請求の上限は約5.5万円(提供済みの分5万円+5000円)で、返ってくるのは少なくとも約4.5万円
  • 【美容医療・語学教室・パソコン教室・結婚相手紹介サービス】請求の上限は約6万円(同5万円+1万円)で、返ってくるのは少なくとも約4万円
  • 【パーソナルジム】法律の上限はなく、返金は契約書や利用規約の規定で決まる

※試算の前提:契約額10万円を前払いし、契約期間の半分が過ぎた時点で解約。提供済みの分の対価は契約額の半分の5万円とし、関連商品の代金は含めていません。契約額10万円は、国民生活センターの集計(2025年度)で最も多かった契約購入金額の区分「10万円以上50万円未満」の下限です。