使い終わった古い通帳を、捨ててもよいのか迷っている人は多いはずです。通帳は、過去のお金の動きを示す資料になるため、相続や贈与の場面で必要になることがあります。
元独立系FP会社でマネーセミナーの運営を補助していた経験からお伝えすると、通帳を残すかどうかは、税務署が過去にさかのぼれる期間と、銀行から取り寄せるときの費用を並べて見ると、判断しやすくなります。
ここでは、e-Gov法令検索の条文と、ゆうちょ銀行の公式ページをもとに、贈与税や相続税でさかのぼられる期間と、取引明細を銀行に請求した場合の費用を試算します。
※税務署が更正・決定をできる期間は、国税通則法第70条と相続税法第37条(e-Gov法令検索)、取引明細の請求の費用はゆうちょ銀行の「保有個人データの開示等請求手続きについて」(2026年11月2日確認)をもとにしています。
※税の取扱いは、状況によって変わります。実際の判断は、税務署や税理士にご確認ください。
1. 使い終わった古い通帳は、捨ててもいい?贈与税は申告期限から6年、悪質な場合は7年さかのぼられる
税務署が税金を決め直せる期間は、法律で決まっています。贈与税は、相続税法第37条で、申告書の提出期限から6年です。そのほかの国税は、国税通則法第70条で、法定申告期限から5年です。
- 【贈与税】申告書の提出期限から6年(相続税法第37条)
- 【相続税など、そのほかの国税】法定申告期限から5年(国税通則法第70条)
- 【偽りその他不正の行為があった場合】法定申告期限から7年(国税通則法第70条)
この期間は、税務署が過去のお金の動きを確かめる可能性がある期間です。過去の入出金を示す通帳は、贈与や相続のお金の動きを説明するときの資料になります。
2. 古い通帳がないと、銀行からどう取り寄せる?ゆうちょの例では過去10年以内で、開示請求なら10年分で約2万8000円、窓口の照会は通帳1冊につき1100円
ゆうちょ銀行によると、貯金の入出金は、過去10年以内を請求できます。過去10年を超える分は、データを保有していない場合、開示できる情報がないと回答されます。取引履歴の開示請求の費用は、1口座で2100円に、対象期間1か月あたり220円(2か月目以降)を加えた額です。
- 【1年分(12か月)】約4500円
- 【5年分(60か月)】約1万5000円
- 【10年分(120か月)】約2万8000円
ゆうちょ銀行の窓口で手続きをする場合は、入出金の照会が通帳1冊に係る回答につき1100円です。窓口では、通帳(お持ちの場合)、お届け印、本人確認書類を持参します。いずれの方法でも、取り寄せられるのは過去10年以内です。
※試算の前提:ゆうちょ銀行の開示等請求の費用を、2100円+220円×(月数−1)で計算します。ほかの銀行では、期間や費用が異なります。
例)ゆうちょ銀行に取引履歴を開示請求した場合の費用(過去10年以内が対象。公式ページの料金から計算)1/1
出所:ゆうちょ銀行「保有個人データの開示等請求手続きについて」、e-Gov法令検索「国税通則法」をもとにLIMO編集部作成