後期高齢者医療制度は75歳以上の人が入る制度と思われがちですが、65〜74歳でも、一定の障害があって後期高齢者医療広域連合の認定を受ければ加入できます。加入すると、それまでの国民健康保険や会社などの健康保険から抜けるため、窓口負担や保険料が有利になるか不利になるかは人によって分かれます。
本記事では、対象となる障害の範囲、窓口負担の割合、東京都の令和8年度(2026年度)の保険料率を整理します。2ページ目では、加入する前に確認したい3つの点を紹介します。
1. 65〜74歳でも後期高齢者医療に加入できる?一定の障害があり、広域連合の認定を受けた日から加入する
高齢者の医療の確保に関する法律の第50条は、後期高齢者医療広域連合の区域内に住所がある75歳以上の人に加えて、65歳以上75歳未満で政令で定める程度の障害の状態にあるとの広域連合の認定を受けた人も、被保険者と定めています。資格を取得する日は、同法第52条で、認定を受けた日とされています。
加入は任意で、申請が必要です。東京都後期高齢者医療広域連合の案内(令和8年7月23日更新)によると、障害の状態を明らかにする書類を添えて、住んでいる市区町村の担当窓口に申請します。世田谷区の案内では、過去にさかのぼって認定を受けることはできません。
東京都後期高齢者医療広域連合の案内で、対象となる障害の状態は次のとおりです。
- 障害年金:1級・2級
- 身体障害者手帳:1〜3級。4級は一部(下肢障害の4級1号・3号・4号、音声・言語機能障害)
- 精神障害者保健福祉手帳:1級・2級
- 東京都愛の手帳(療育手帳):1度・2度
認定の要件の細かい点は、住んでいる市区町村の窓口や広域連合で確認する必要があります。障害認定は都道府県ごとの広域連合が行うため、手帳の名称や手続きは地域で異なります。
2. 窓口負担はどう変わる?65〜69歳は3割、70〜74歳は2割から、後期高齢者医療では所得に応じて1割・2割・3割
厚生労働省の案内によると、医療機関の窓口で支払う負担は、65〜69歳が3割、70〜74歳が2割(一定の所得がある現役並み所得者は3割)です。
後期高齢者医療に加入すると、窓口負担は1割・2割・3割のいずれかになり、所得、収入、家族構成によって決まります(大田区の案内)。厚生労働省の案内によると、2割になるのは、課税所得が28万円以上で、年金収入とその他の合計所得金額が、同じ世帯に後期高齢者医療の被保険者が1人の場合は200万円以上、被保険者が複数いる場合は合計320万円以上の人です。3割は現役並み所得者です。1割・2割・3割の判定は、いずれも世帯単位で行われます。年齢と加入先ごとに並べると次のとおりです。
- 65〜69歳(国保・健康保険):3割
- 70〜74歳(国保・健康保険):2割(現役並み所得者は3割)
- 障害認定を受けて加入した後期高齢者医療:1割・2割・3割(所得などで決まる)
たとえば、医療費が1万円の外来診療を受けた場合、窓口で支払う額は3割なら3000円、2割なら2000円、1割なら1000円です。後期高齢者医療に入っても、所得によっては2割や3割になるため、加入すれば必ず負担が下がるとは限りません。
年齢・加入先別の窓口負担の割合(医療費が1万円の外来診療の場合)2/3
出所:厚生労働省「70歳から74歳の方の医療費の窓口負担についてのお知らせ」、厚生労働省「後期高齢者の窓口負担割合の変更等」、大田区「後期高齢者医療の対象者」をもとにLIMO編集部作成