5. 老人ホームの退去を求められたら、前払金と相談先はどうなる?返還金は「入居後3か月以内」かどうかで算定方法が分かれる
老人ホームの退去で前払金を払っていた場合、重要事項説明書には「入居後3月以内の契約終了」と「入居後3月を超えた契約終了」に分けて返還金の算定方法を書く欄があり、指針は返還額を入居契約書等に明示し、前払金の返還を確実に行うよう求めています。
契約解除の通知を受けて内容に納得できないときの相談先は、次のとおりです。
- 【ホームの窓口】重要事項説明書の「利用者からの苦情に対応する窓口」
- 【行政】ホームの届出先である都道府県・指定都市・中核市の担当課
- 【消費生活】消費者ホットライン「188」(最寄りの消費生活相談窓口につながる)
- 【業界団体】公益社団法人全国有料老人ホーム協会の相談窓口
6. 入院が長引いたときに備えて、入居前に確かめておきたいこと
75歳以上の平均在院日数は、肺炎31.6日に対して脳血管疾患80.1日と、傷病によって2倍を超える開きがあります。平均で2か月を超える傷病もあることを前提に、入院中の扱いを確かめておきましょう。
入院中の利用料が「不在期間が一定日数以上の場合に限り、日割り計算で減額」となっている場合は、何日以上で減額されるのか、どの費目が対象になるのかを、重要事項説明書と入居契約書で確かめておきましょう。
あわせて、入院が長引いた場合に契約がどうなるかも、重要事項説明書の契約解除の欄と入居契約書の解除条項で確かめておくと安心です。
気になる条項があるときは、入居前ならホームに説明を求めましょう。入居後は、ホームの窓口や都道府県等の担当課、消費生活センターに相談できます。
7. まとめ
有料老人ホームの退去につながる事業者からの契約解除について、国の指針は条件を「信頼関係を著しく害する場合に限るなど」とし、要介護状態を理由に解除する契約では医師の意見・本人等の同意・観察期間の手続きを求めています。
ただし、どの場合に退去となるかは、契約とホームの受け入れ体制によって変わります。
入居前には、重要事項説明書の「医療連携の内容」「入院等による不在時における利用料金」「契約解除の内容」「前年度における退去者の状況」の欄を、複数のホームで並べて確かめておきましょう。
※本記事の試算は一定の前提に基づく概算です。実際の契約解除の条件や入院中の利用料の扱いは、各ホームの入居契約書・重要事項説明書と、ホームの届出先の都道府県等でご確認ください。