3. 老人ホームは入院が長引くと退去になる?指針は退院できるときに「速やかに入居させることができるよう努める」と定め、75歳以上の平均在院日数は39.0日(2023年9月の退院患者)

老人ホームの入居者が入院したときについて、指針は医療機関との連携の項目で、入院した入居者の病状が軽快し、退院が可能となった場合は、再び当該有料老人ホームに速やかに入居させることができるよう努めることとしています。

入院の長さの目安として、厚生労働省「令和5年(2023)患者調査の概況」で、2023年9月に退院した75歳以上の患者の平均在院日数を見ると、次のとおりです。

  • 【75歳以上・すべての傷病】39.0日(約1.3か月)
  • 【75歳以上・肺炎】31.6日
  • 【75歳以上・骨折】45.2日
  • 【75歳以上・脳血管疾患】80.1日(約2.7か月)

入院中の利用料の扱いはホームごとに違い、重要事項説明書の様式では「減額なし」「日割り計算で減額」「不在期間が一定日数以上の場合に限り、日割り計算で減額」から選んで書く形です。仮に月額費用(ホームに払う家賃・管理費・食費など)10万円の契約で、全額が日割りの対象だとすると、39.0日の入院では約13.0万円分が減額されるかどうかの違いになります。

  • 【75歳以上・すべての傷病(39.0日)】約13.0万円
  • 【75歳以上・骨折(45.2日)】約15.1万円
  • 【75歳以上・脳血管疾患(80.1日)】約26.7万円

※試算の前提:月額費用10万円あたり、1か月を30日として、平均在院日数分を日割りした額です。減額の対象になる費目(食費だけ、家賃も含むなど)はホームによって違います。

例)月額費用10万円で全額が日割りの対象の場合 75歳以上の平均在院日数と、入院中の利用料が日割りで減額される額(2023年9月の退院患者)1/1

75歳以上の退院患者の平均在院日数は、すべての傷病で39.0日、肺炎31.6日、骨折45.2日、脳血管疾患80.1日。月額費用10万円あたりの日割りの額は約13.0万円、約10.5万円、約15.1万円、約26.7万円

出所:厚生労働省「令和5年(2023)患者調査の概況」をもとにLIMO編集部作成

4. 老人ホームの退去にかかわる医療的ケア・入院・滞納は契約書のどこを見る?重要事項説明書の欄を4つの場面に分けて確かめる

老人ホームの退去にかかわる条件は、入居契約書のほか、国の指針の様式にそった重要事項説明書の次の欄で確かめられます。

  • 【医療的ケア】「医療連携の内容」(医療支援・協力医療機関)と「入居に関する要件」の「留意事項」
  • 【入院中の扱い】「入院等による不在時における利用料金(月払い)の取扱い」
  • 【費用の滞納など】「契約の解除の内容」と、「事業主体から解約を求める場合」の「解約条項」「解約予告期間」
  • 【これまでの実績】「前年度における退去者の状況」(退去先別の人数、施設側の申し出による生前解約の人数と解約事由の例)

指針は、重要事項説明書を入居相談があったときに交付するほか、求めに応じ交付することとしています。入居前でも書類を取り寄せて、同じ欄どうしを複数のホームで並べて読むことができます。