来月12月15日は、今年最後の年金支給日です。10月分と11月分の2か月分がまとめて振り込まれるため、通帳の金額を見ながら年末年始のやりくりを考える人もいるのではないでしょうか。

厚生労働省が2026年7月に公表した「2025年 国民生活基礎調査」では、生活が「苦しい」と答えた高齢者世帯が52.1%でした。前年の55.8%からは下がったものの、依然として半数を超えています。

一方で、男性の厚生年金を見ると、国民年金を含めて月15万円以上を受け取る人が約7割を占めます。

この記事では、公的年金のしくみを振り返ったうえで、男性の厚生年金の受給額の分布と、高齢者世帯の暮らしの実感を数字で確かめていきます。

1. 【公的年金】国民年金と厚生年金の2階建て

日本の公的年金は、土台となる「国民年金」の上に「厚生年金」が乗る、2階建てのしくみです。現役時代にどちらの制度に加入していたかで、老後に受け取る年金の額は大きく変わります。

公的年金は「国民年金」と「厚生年金」の2階建て1/3

国民年金と厚生年金からなる公的年金制度の2階建て構造

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」等を参考にLIMO編集部作成

1.1 国民年金(1階部分)

  • 加入する人:日本に住む20歳以上60歳未満の人が原則として全員
  • 保険料:収入にかかわらず一律で、2026年度は月額1万7920円
  • 年金額:40年間(480か月)すべて保険料を納めると、65歳から満額の老齢基礎年金を受け取れる

自営業やフリーランス、学生などは、自分で国民年金の保険料を納めます。会社員や公務員に扶養されている配偶者は、本人が保険料を納める必要はありません。

2026年度の老齢基礎年金の満額は、月額7万608円です。保険料を納めていない期間があると、その月数に応じて年金額は少なくなります。

※1956年(昭和31年)4月1日以前生まれの人の満額は月額7万408円

1.2 厚生年金(2階部分)

  • 加入する人:会社員や公務員など
  • 保険料:給与や賞与の額に保険料率をかけて決まり、会社と本人が半分ずつ負担する(上限あり)
  • 年金額:加入していた期間と、その間の給与・賞与の額によって決まり、国民年金に上乗せして受け取る

会社員や公務員は、厚生年金に加入すると同時に国民年金にも加入しています。そのため老後は、老齢基礎年金と老齢厚生年金の2つを受け取ることになります。

国民年金の保険料は全員同じ額ですが、厚生年金の保険料は収入に比例します。そのため、現役時代の給与が多く、加入期間が長い人ほど、受け取る厚生年金も多くなるのです。

自分が受け取れる見込み額は、毎年の誕生月に届く「ねんきん定期便」や、日本年金機構の「ねんきんネット」で確かめられます。