3. 75歳以上の1人当たり医療費は98.9万円「75歳未満の約3.8倍」

ここからは、親世代にあたる75歳以上の医療費を、厚生労働省の「最近の医療費の動向」で整理します。

3.1 2025年度は75歳未満の26.1万円のおよそ3.8倍

最近の医療費の動向は、審査支払機関で審査された診療報酬明細書のデータを集計し、医療費の動きを毎月まとめた資料です。2025年度(令和7年度)の1人当たり医療費は、75歳以上が98.9万円、75歳未満が26.1万円でした。

75歳以上の1人当たり医療費は、75歳未満のおよそ3.8倍です。なお、この金額は医療機関でかかった医療費全体を集計したもので、医療保険から支払われる分や公費負担分、患者の自己負担分を含みます。75歳以上の人が実際に窓口で年間98.9万円を支払っているわけではありません。

医療費の総額で見ると、2025年度は全体の49.2兆円のうち、75歳以上が20.3兆円を占めています。75歳以上の1人当たり医療費は、2023年度が96.5万円、2024年度が97.4万円で、毎年増えています。

3.2 2026年6月は前年同月より5.9%増

2026年度の数字では、4月から6月までの75歳以上の1人当たり医療費は24.9万円で、前年同期より1.7%増えました。

6月だけを見ると、75歳以上の1人当たり医療費は8.6万円で、前年同月より5.9%増えています。全体の医療費も、6月は4.3兆円で前年同月より6.6%増えました。入院の1日当たり医療費(食事などを含む)は、6月に4万8800円で、前年同月より8.8%増えています。

75歳以上の1人当たり医療費は、2025年度に98.9万円でした。3/5

75歳以上と75歳未満の1人当たり医療費

出所:厚生労働省「最近の医療費の動向[概算医療費]令和8年度6月号」をもとにLIMO編集部作成

4. LIMO編集部の計算例:75歳以上と75歳未満の差は年72.8万円

続いて、75歳以上と75歳未満の1人当たり医療費の差を計算します。

4.1 前提は2025年度の1人当たり医療費

LIMO編集部の計算例として、2025年度の1人当たり医療費(75歳以上98.9万円、75歳未満26.1万円)を比べます。医療費には、医療保険などから支払われる分と患者の負担分の両方が含まれるため、計算した差も窓口で支払う金額の差ではありません。

4.2 1年で72.8万円、1か月あたり約6万円の差

98.9万円から26.1万円を引くと、差は1年で72.8万円です。12か月で割ると、1か月あたり約6万円になります。

1人当たり医療費は、2022年度は75歳以上が95.7万円、75歳未満が24.5万円でした。この3年間で、75歳以上は3.2万円、75歳未満は1.6万円増えています。医療費の総額では、75歳以上は2022年度の18.0兆円から2025年度の20.3兆円へ、2.3兆円増えました。

2025年度の1人当たり医療費は、75歳以上と75歳未満で年72.8万円の差があります。4/5

75歳以上と75歳未満の1人当たり医療費の差の計算例

出所:厚生労働省「最近の医療費の動向[概算医療費]令和8年度6月号」をもとにLIMO編集部作成

2026年7月審査分の介護サービスでは、要介護1・2の受給者が全体の半数を超える一方、要介護4・5では4割以上が施設サービスを利用していました。また、2025年度の75歳以上の1人当たり医療費は98.9万円で、75歳未満の約3.8倍となっています。

介護度の上昇に伴って利用するサービスが変わり、医療費も高齢になるほど増える傾向があるため、親世代の介護や自身の老後に向けて、公的制度の内容や自己負担の上限額、必要となる生活資金について早めに確認しておくことが大切です。

ここからは、家庭での親の世話や、家族の健康に関する意識を見ていきます。