3. 食生活に「不満」は35.3%、2021年の23.6%から上昇

ここからは、生活のどの面で満足や不満を感じているかを整理します。

3.1 不満が多いのは資産・貯蓄70.0%と所得・収入63.7%

調査では、生活の7つの面について満足度を聞いています。「やや不満だ」と「不満だ」を合わせた不満の割合は、資産・貯蓄が70.0%、所得・収入が63.7%で、ほかの面より大きくなっています。所得・収入の不満は、2021年9月調査の59.7%から2023年11月調査で68.0%まで上がり、2025年8月調査は65.0%、今回は63.7%でした。

レジャー・余暇生活は47.9%、自己啓発・能力向上は43.7%、自動車や電気製品などの耐久消費財は40.6%、食生活は35.3%、住生活は32.3%でした。

3.2 食生活の「満足」は76.0%から64.1%に

食生活の不満の割合は、2021年9月調査では23.6%でした。2022年10月調査は28.1%、2023年11月調査は32.9%、2024年8月調査は32.1%、2025年8月調査は38.0%で、今回は35.3%です。

満足の割合は、2021年9月調査の76.0%から今回は64.1%になりました。前回からは不満がやや減ったものの、5年前と比べると、毎日の食事に満足できていない人が増えています。

生活の各面で不満が大きいのは、資産・貯蓄の70.0%と所得・収入の63.7%です。3/6

生活の各面での不満の割合

出所:内閣府「国民生活に関する世論調査」(速報)をもとにLIMO編集部作成

4. 「将来に備える」が46.5%、前回から2.6ポイント上昇

続いて、これからの暮らしで何を大切にしたいかを見ていきます。

4.1 貯蓄や投資で備える人が増え、毎日を楽しむ人が減った

今後の生活で、貯蓄や投資など将来に備えることと、毎日の生活を充実させて楽しむことのどちらに力を入れたいかを聞いたところ、「将来に備える」(「どちらかといえば」を含む)は46.5%でした。前回の43.9%から2.6ポイント上がっています。

「毎日の生活を充実させて楽しむ」(「どちらかといえば」を含む)は52.6%で、前回の55.2%から2.6ポイント下がりました。

4.2 悩みは「今後の収入や資産の見通し」が59.7%

日ごろの生活で悩みや不安を感じている人は77.3%でした。その人たちに内容を聞くと、「自分の健康」が63.4%、「老後の生活設計」が60.9%、「今後の収入や資産の見通し」が59.7%、「現在の収入や資産」が48.3%でした。

「将来に備える」は46.5%で、前回の43.9%から上がりました。4/6

将来に備えるか毎日の生活を楽しむかの推移

出所:内閣府「国民生活に関する世論調査」(速報)をもとにLIMO編集部作成

ここからは、これからの生活で力を入れたい面と、収入に関わる制度の動きを見ていきます。

5. 今後の力点は「健康」72.3%、「食生活」40.9%

最後に、これからの生活でどの面に力を入れたいかと、家計に関わる制度の見直しを確認します。

5.1 資産・貯蓄39.9%、所得・収入34.5%

今後の生活で特に力を入れたい面を複数回答で聞いたところ、「健康」が72.3%で最も多く、「食生活」が40.9%、「資産・貯蓄」が39.9%、「所得・収入」が34.5%、「レジャー・余暇生活」が30.5%でした。2025年8月調査と比べると、健康は71.4%から、所得・収入は33.4%から上がり、食生活は42.0%から下がっています。

今後の生活で力を入れたい面は、「健康」が72.3%で最も多くなりました。5/6

今後の生活で力を入れたい面

出所:内閣府「国民生活に関する世論調査」(速報)をもとにLIMO編集部作成

これからの家庭の生活について「悪くなっていく」と答えた人は28.9%で、「良くなっていく」の7.1%を大きく上回っています。支出を見直すことと、収入や資産を増やすことの両方が、家計の課題になっているといえます。

5.2 「106万円」の賃金要件は2026年10月に撤廃

収入の面では、パートなどで働く人の社会保険の加入条件が見直されています。厚生労働省によると、2025年の法改正で、所定内賃金が月額8.8万円以上(年収約106万円)という「賃金要件」は2026年10月に撤廃されることになりました。勤務先の社会保険に加入すると保険料の負担が生じ、手取りが減る場合があります。働く時間を増やすかどうかは、勤務先の制度と手取りの変化を確かめてから決めることが大切です。

また、従業員50人超の企業を対象としている企業規模要件についても、今後は段階的に縮小・撤廃される予定です。そのため、これまで社会保険の適用対象ではなかった人も、今後は加入対象となる可能性があります。

今回の調査では、「今後の収入や資産の見通し」に不安を感じている人が59.7%、「老後の生活設計」に不安を感じている人が60.9%でした。物価上昇が続くなか、目先の家計管理だけでなく、将来の収入や年金も含めて考えたいという意識が強まっていることがうかがえます。

社会保険に加入すると保険料の負担は生じるものの、厚生年金の加入期間が増えることで将来受け取る年金額につながる側面もあります。働き方を見直す際には、現在の手取り額だけでなく、将来の保障や老後資金への影響も含めて検討することが大切になるでしょう。