70代になってから投資信託を始めた親や、自分自身で始めてみようか迷っている方もいるのではないでしょうか。70代からの投資信託では、金額の大小だけでなく、何年置いておけるのかが結果を大きく左右します。

富裕層や法人のお客さまの資産運用のご相談を受けていた経験からお伝えすると、70代からの投資信託は、「いつまでに使うお金か」を先に決めて、早めに確かめておきたいテーマです。ここでは、公的な統計と、年金積立金を運用するGPIFの過去25年度の収益率をもとに整理します。

あわせて、70代から投資信託に100万円を入れた場合に、1年・5年・10年置くと元本を下回ることが何回あったのかを試算します。

※平均余命は、厚生労働省「令和6年簡易生命表」の70歳の値です。値動きは、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の2001年度から2025年度までの年度ごとの収益率を使っています。

1. 70代から投資信託を始めると、置いておける年数は?70歳の平均余命は男性約15.6年、女性約20.0年

厚生労働省「令和6年簡易生命表」によると、70歳の平均余命は男性15.60年、女性19.97年です。75歳では男性12.08年、女性15.75年となります。

  • 【70歳の平均余命】男性約15.6年、女性約20.0年
  • 【75歳の平均余命】男性約12.1年、女性約15.8年
  • 【80歳の平均余命】男性約9.0年、女性約11.8年

平均余命は、その年齢の人があと平均で何年生きるかを示す数字です。70代から投資信託を始めても、10年以上置いておく時間は平均では残っています。ただし、生活費や医療・介護の費用に充てる時期は、これより早く来ることも考えておく必要があります。

2. 70代から投資信託に100万円、10年置くとどうだった?過去25年では16通りすべてで元本を上回った

国内外の株式と債券に分けて運用した例として、GPIFの年度ごとの収益率を使い、100万円を年度の初めに一度に入れた場合を試算しました。始めた年度を1年ずつずらして、置いた年数ごとに結果を並べています。

  • 【1年置いた場合】25通りのうち7通りで元本割れ。いちばん低い結果は約92.4万円
  • 【5年置いた場合】21通りのうち2通りで元本割れ。いちばん低い結果は約97.1万円
  • 【10年置いた場合】16通りすべてで元本を上回った。いちばん低い結果でも約112.7万円

※試算の前提:GPIF「2025年度業務概況書」等の2001年度から2025年度までの年度ごとの収益率(運用手数料等を差し引く前の値)を使い、100万円を年度の初めに一度に入れ、途中で売買しないものとした。GPIFの資産の配分は期間中に見直されている。投資信託の信託報酬や税金は考慮していない。 2019年度までの収益率は、満期まで持つ財投債を含む資産全体の値。

例)100万円を一度に入れた場合 置いた年数ごとの元本割れの回数(GPIFの2001〜2025年度の収益率で試算)1/1

100万円を1年置いた場合は25通り中7通りで元本割れし最も低い結果は約92.4万円、5年では21通り中2通りで元本割れし最も低い結果は約97.1万円、10年では16通りすべてで元本を上回り最も低い結果でも約112.7万円だったことを示す表

出所:年金積立金管理運用独立行政法人「運用状況」をもとにLIMO編集部作成

置く年数が長いほど、元本を下回った回数は減っています。70代から投資信託を始めるなら、何年後に使うお金なのかで、結果の見え方が大きく変わるといえます。