4. 【元銀行員の視点】ボーナスの振込額は明細の総支給額とは違う
銀行の窓口にいた頃、ボーナスの時期に、振り込まれたボーナスの預け先について相談を受けたことがあります。
預け先を考えるときに土台になるのは、明細の総支給額ではなく、口座に振り込まれた額です。総支給額をもとに計画を立てると、実際に使えるお金とのずれが出ることがあります。
まずは通帳でボーナスの入金額を確かめ、そのうえで預け先や使い道を決めることをおすすめします。
5. 賞与明細で見ておきたい3か所のポイント
ボーナスが支給されたら、賞与明細で次の3か所を見ておきましょう。
5.1 総支給額
税金や保険料が引かれる前の金額です。標準賞与額は、この額から1千円未満を切り捨てた額になります。
5.2 厚生年金保険料
総支給額のおよそ9.15%が目安です。総支給額が150万円を超えている場合は、150万円をもとにした額になっているかを見てください。
5.3 そのほかの控除
健康保険料、40歳以上65歳未満の方は介護保険料、雇用保険料、所得税なども差し引かれます。どの項目がいくら引かれているかを、厚生年金保険料と分けて確かめておくと、振込額との差が追いやすくなります。
6. 厚生年金と健康保険では上限の決まり方が違う
ボーナスの上限は、厚生年金保険と健康保険で考え方が異なります。
- 厚生年金保険:支給1回(同じ月の合算)につき150万円
- 健康保険:年度(4月1日から翌年3月31日まで)の累計で573万円
厚生年金保険料が上限で頭打ちになっていても、健康保険料は年度の累計が573万円に達するまで標準賞与額に応じてかかります。2つの保険料を同じ上限で考えないよう、注意したいところです。
なお、会社に勤めていても、70歳になると厚生年金保険に加入する資格を失います。70歳以上の方のボーナスからは、原則として厚生年金保険料は差し引かれません。
7. 冬のボーナスの厚生年金保険料は本人負担9.15%、上限150万円で将来の年金にも反映
冬のボーナスから引かれる厚生年金保険料は、標準賞与額に18.3%をかけた額を会社と半分ずつ負担します。本人負担は、ボーナス50万円なら4万5750円、100万円なら9万1500円が目安です。
標準賞与額は支給1回につき150万円が上限で、それを超えても厚生年金保険料は増えません。納めた保険料は平均標準報酬額に含まれ、将来の老齢厚生年金の計算に使われます。
ボーナスが支給されたら、明細の保険料の欄と通帳の入金額を見比べてみてください。保険料の計算や個別の扱いについては、勤務先の担当部署や日本年金機構に問い合わせると確実です。
※LIMOでは、個別の相談・お問い合わせにはお答えできません。
参考資料
- 日本年金機構「厚生年金保険の保険料」
- 日本年金機構「報酬比例部分」
- 日本年金機構「年間の標準賞与額の累計額が573万円を超えたとき」
- 日本年金機構「年金額を増やすために、70歳を過ぎても厚生年金保険に加入できますか。」
中本 智恵