11月に入ると、勤務先から年末調整の書類が配られ始めます。日本年金機構から届いたはがきを見て、「自分はこれまで何か月分、保険料を納めてきたのか」と気になった方もいるのではないでしょうか。
令和8年1月から9月までに国民年金保険料を納めた人には、控除証明書が10月23日から11月上旬にかけて順次届きます。記載された保険料は、65歳から受け取る老齢基礎年金の額にもつながっています。
この記事では、老齢基礎年金が納めた月数でどう決まるのか、免除や学生納付特例の月がどう扱われるのかを解説します。
1. 国民年金保険料の控除証明書は11月上旬までに届く。記載の保険料は老齢基礎年金の記録に
まずは、いま届いているはがきの位置づけを確認します。
1.1 1月から9月に納めた人へ順次送付
日本年金機構の案内では、令和8年1月1日から9月30日までに国民年金保険料を納めた人に、書面の控除証明書を10月23日から11月上旬にかけて順次送るとしています。電子データで受け取る設定にしている人には、書面は届きません。
令和8年分の国民年金保険料の控除証明書が届く時期。受け取り方と保険料を納めた時期で分かれます1/2
出所:日本年金機構「令和8年分社会保険料(国民年金保険料)控除証明書の発行について」をもとにLIMO編集部作成
1.2 年末調整に使うだけの書類ではない
控除証明書は、年末調整や確定申告で社会保険料控除を受けるための書類です。同時に、その年にどれだけ保険料を納めたかを示す記録でもあります。
納めた保険料の月数は、そのまま老齢基礎年金の額の計算に使われます。
2. 老齢基礎年金の満額は年84万7300円。1か月納めると年「約1765円」増える
ここからは、老齢基礎年金の額がどう決まるのかを見ていきます。
2.1 満額には480か月分の保険料が必要
令和8年度の老齢基礎年金の満額は、年84万7300円(月7万608円)です。20歳から60歳になるまでの40年間、480か月分の保険料を納めると満額になります。
なお、昭和31年4月1日以前生まれの人の満額は、年84万4900円(月7万408円)です。
2.2 会社員や扶養されていた期間も納付済期間に入る
20歳から60歳になるまでのあいだに、会社員などとして厚生年金に加入していた期間(第2号被保険者)や、その配偶者に扶養されていた期間(第3号被保険者)も、保険料納付済期間に含まれます。
2.3 納めた月数ごとの年金額
免除の期間がない場合、老齢基礎年金の額は次の式で計算します。
- 老齢基礎年金(年額)= 84万7300円 × 保険料を納めた月数 ÷ 480
84万7300円を480で割ると、1か月あたりおよそ1765円です。すなわち、保険料を1か月納めるごとに、65歳から受け取る年金額が年約1765円ずつ積み上がる計算になります。
保険料を納めた月数ごとの老齢基礎年金(令和8年度・年額)の試算。昭和31年4月2日以後生まれで、免除の期間がない場合です2/2
出所:日本年金機構「老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額」をもとにLIMO編集部作成
たとえば、納めた月数が420か月(35年)の場合、年金額は年74万1388円です。満額との差は、年10万円あまりになります。
3. 保険料の免除や学生納付特例の月は、老齢基礎年金にどう反映される?
保険料を納められなかった月があっても、手続きの種類によって年金額への反映のしかたが違います。
3.1 全額免除の月は満額の2分の1で計算
日本年金機構の計算式では、免除を受けた月は次の割合で年金額に反映されます。
- 全額免除の月:8分の4
- 4分の3免除(4分の1を納付)の月:8分の5
- 半額免除(半額を納付)の月:8分の6
- 4分の1免除(4分の3を納付)の月:8分の7
なお、平成21年3月分までの免除期間は、全額免除が3分の1、4分の1納付が2分の1、半額納付が3分の2、4分の3納付が6分の5で計算します。一部免除で、減らされた保険料を納めていない月は未納の扱いです。
3.2 学生納付特例と納付猶予の月は追納しないと反映されない
学生納付特例や納付猶予を受けた期間は、保険料を追納していない場合、年金額には反映されません。あとから保険料を追納した期間は、保険料納付済期間に含まれます。
控除証明書は年末調整のためのはがきと思われがちですが、記載された保険料は老齢基礎年金の記録にもなります。学生時代に納付特例を使った方は、ねんきん定期便で納付済の月数を一度見ておいてください。
次のページでは、老齢基礎年金に上乗せする方法を、元銀行員の視点から見ていきます。