5. 【証券会社出身の視点】検証:遺産5000万円で136万円の差は、遺産の約2.7%にあたる
試算を並べると、遺産5000万円を半分ずつ受け取る場合、事実婚では法律婚より相続税が合計136万円多く、遺産の約2.7%にあたります。パートナーが受け取る2500万円から見ると、相続税96万円は約3.8%です。
家族の形が変わったあとの相続は、税金の額以上に「誰が受け取れるか」で悩む場面もあるでしょう。事実婚では、遺言がなければパートナーは遺産を受け取れず、前の結婚で生まれた子がいれば、その子がすべてを相続することになります。
一方で、法律婚にすると、前の結婚で生まれた子の法定相続分は、子だけが相続人の場合の全部から2分の1になります。再婚を考えるときは、パートナーと子の両方にとって相続がどう変わるかを、家族で話しておくことも一つの方法です。
籍を入れるかどうかは、相続だけで決めるものではありません。ただ、遺言を書くかどうか、どの財産を誰に残したいかを早めに書き出してみると、お互いの安心につながるかもしれませんね。
※試算の前提:前章と同じ。
6. まとめ
事実婚のパートナーは相続人に含まれず、遺言がなければ遺産を受け取れません。遺言で遺贈を受けても、配偶者の税額の軽減は使えず、相続税額に2割が加算されます。遺産5000万円を半分ずつ受け取る場合、相続税の合計は法律婚の40万円に対して、事実婚では176万円になる計算でした。
前の結婚で生まれた子は、再婚後も亡くなった人の子として相続人になります。相続人の範囲や相続税の計算は、国税庁のタックスアンサーや税務署で確かめることができます。
※本記事の試算は一定の前提に基づく概算です。実際の相続税は、遺産の内容や評価、相続人の数、遺言の内容、各種の特例などによって異なります。詳しくは国税庁のホームページや税務署、遺言や相続の手続きは専門家などでご確認ください。
参考資料
- 国税庁「No.4132 相続人の範囲と法定相続分」
- 国税庁「No.4152 相続税の計算」
- 国税庁「No.4155 相続税の税率」
- 国税庁「No.4157 相続税額の2割加算」
- 国税庁「No.4158 配偶者の税額の軽減」
安達 さやか