5. 古い通帳が親名義だったら手続きは?存命なら親本人の口座として、亡くなっていれば相続の手続きとして銀行で確認

古い通帳の口座は親名義なので、取引の再開や住所の変更、解約は、親本人の口座としての手続きになります。家族が代わりに手続きできるかどうかと、そのときに必要な書類は銀行ごとに異なるため、口座のある銀行で確認することができます。

  • 【親が存命の場合】親が住所を移していれば、届け出の住所が今の住まいになっているか。未利用口座管理手数料の案内は届け出の住所に届く
  • 【親が亡くなっている場合】金融庁の案内では、休眠預金等になった預金も、金融機関所定の手続きを経て相続人が引き出せる

法務局「「法定相続情報証明制度」について」によると、戸籍の束と相続関係の一覧図を登記所に出すと、認証した一覧図の写しが無料で交付され、亡くなった人の名義の預金の払い戻しの手続きに使うことができます。口座が複数の銀行にあるときの手間を減らす方法の一つです。

ただし、相続の手続きで求められる書類や、名義人が亡くなったあとの口座で未利用口座管理手数料がどう扱われるかは、銀行によって異なります。手続きを始める前に、口座のある銀行で確認していただくとよいでしょう。

6. 【証券会社出身の視点】検証:親の古い通帳は「口座を開いた日」と「残高が1万円あるか」で手数料の有無が分かれる

この記事では、三菱UFJ銀行・りそな銀行・三井住友信託銀行の案内をもとに、未利用口座管理手数料の対象・額・通知と、残高が手数料に足りないときの扱い、休眠預金等の仕組みをご紹介しました。

同じ「年1320円」でも、対象になる口座は銀行によって違います。2021年7月1日以降に開いた口座だけが対象の銀行もあれば、導入より前に開いた口座も対象の銀行もあります。親が何十年も前に開いた口座かどうかで、当てはめる条件が変わります。

ご家族の資産を整理するときは、まず金融機関ごとに「どの口座に、いくら、どんな条件で」置かれているかを書き出してみると、整理しやすくなります。手数料のような小さな金額でも、条件が分かると次に何をするかが決めやすくなります。

確認していただきたい観点を、順に整理します。第一に、口座を開いた日と、その銀行で手数料の対象になる開設日。第二に、残高が1万円以上あるかと、同じ銀行に定期預金などのほかの取引があるか。第三に、届け出の住所が今の住まいになっているかです。

この3つが分かると、取引を再開するか、解約するか、相続の手続きの中で整理するかも決めやすくなります。古い通帳を見つけたら、まず表紙の銀行名と支店名、最後の記帳の日付を書き出してみると、確認先が見えてくるかもしれませんね。

7. まとめ

未利用口座管理手数料は、2年以上預け入れも払い戻しもない口座に年1320円(3行の場合)がかかる手数料です。対象になる口座は、三菱UFJ銀行は2021年7月1日以降、りそな銀行は2004年4月1日以降に開設した口座で、三井住友信託銀行は導入前に開設した口座も対象です。

残高が手数料に足りなくなると残高の全額が引き落とされて口座は解約になり、残高1万円未満なら遅くとも約9年3か月で解約になる計算です。10年以上取引がない預金は休眠預金等になりますが、相続人も含めて引き出すことができます。手続きの細かな点は、口座のある銀行で確かめることができます。

※本記事の試算は一定の前提に基づく概算です。本記事は特定の金融機関や商品の利用をすすめるものではありません。未利用口座管理手数料の対象・額・条件は金融機関ごとに異なり、変更されることがあります。最新の取り扱いは、各金融機関のホームページや窓口でご確認ください。

参考資料

安達 さやか