実家の片付けで親の古い通帳が出てきて、記帳すると「未利用口座管理手数料」が引かれていた、という場面があるかもしれません。未利用口座管理手数料は、2年以上預け入れも払い戻しもない口座に年ごとにかかる手数料で、かかるかどうかは銀行と、口座を開いた時期によって分かれます。
富裕層や法人のお客さまの資産運用のご相談を受けていた経験からお伝えすると、実家で見つけた親の古い通帳は、「どこに、どんな条件で置かれているか」を、早めに確かめておきたいテーマです。ここでは、古い通帳の口座に手数料がかかる条件と、残高が手数料に足りないときの扱いを整理します。
三菱UFJ銀行・りそな銀行・三井住友信託銀行の公式の案内で対象・額・通知を比べ、残高が1万円未満の口座に年1320円がかかり続けた場合に何回で残高がなくなるかを試算しました。
※各行の未利用口座管理手数料の対象・額・条件は、各行のホームページの案内(2026年10月29日確認)によります。取り扱いは変更されることがあります。
1. 未利用口座管理手数料がかかるのはどんな口座?2年以上取引がない口座に年1320円、対象は「口座を開いた日」で分かれる
未利用口座管理手数料は、3行とも「最後の預け入れまたは払い戻しから2年以上、一度も預け入れも払い戻しもない普通預金口座(総合口座を含む)」に年間1320円(税込)です。ただし、どの時期に開いた口座が対象になるかは、次のように違います。
- 【三菱UFJ銀行】2021年7月1日以降に開設した口座が対象。2021年6月30日時点で開設済みの口座は対象外
- 【りそな銀行】2004年4月1日以降に新規開設した口座が対象(それより前の口座も、利用停止のあと取引できる状態に戻した場合は対象)
- 【三井住友信託銀行】2022年6月1日に導入。導入より前に開設した口座も対象
手数料がかからない条件も、銀行ごとに決められています。
- 【残高】りそな銀行と三井住友信託銀行は、口座の残高が1万円以上なら対象外。三菱UFJ銀行の案内には、残高の金額による対象外の条件は挙げられていない
- 【ほかの取引】ほかの取引があると対象外になる扱いがある。三菱UFJ銀行は定期預金・外貨預金・投資信託などのほかの預かり資産が1円以上ある場合や借入がある場合、りそな銀行は同じ支店にほかの預かり資産が1円以上ある場合や借入がある場合、三井住友信託銀行は同じ名義でほかの取引がある場合
また、3行とも、利息が元本に組み入れられたことや、この手数料の引き落としは「取引」に数えません。通帳に利息の記帳があっても、それだけでは未利用の状態は変わりません。
2. 未利用口座管理手数料は事前に知らされる?届出住所などに案内が届き、約3か月取引がなければ引き落とし
三菱UFJ銀行は、口座が未利用になると郵送やEメールなどで事前に案内し、未利用となってから3か月たっても利用や解約の手続きがなければ手数料を引き落とします。りそな銀行と三井住友信託銀行は、届け出の住所に文書で案内を送り、約3か月たっても取引がなければ引き落とします。
3行とも、案内が届かなかった場合も、通常届くはずの時に届いたものとみなすとしています。親が住所を移していて銀行に届け出ていないと、案内に気づかないまま引き落としが始まることがあります。
残高が手数料に足りない場合の扱いは、3行とも同じです。
- 【引き落とし】残高の全額を手数料として引き落とす
- 【口座】その口座は原則として解約になる
- 【戻らないもの】引き落とした手数料の返却や、解約した口座の再利用には応じない
- 【上限】残高を超えて手数料を負担することはない