退職金で車を一括購入しようと考えたとき、車の代金と維持費を合わせると1年あたりいくらになるのか、気になる人もいるかもしれません。車の代金は一度に払っても、乗る年数で割ると1年あたりの費用として見ることができ、そこに毎年の維持費が加わります。
富裕層や法人のお客さまの資産運用のご相談を受けていた経験からお伝えすると、退職金で買う車は、金額そのものより「何年かけて使うお金か」で、早めに確かめておきたいテーマです。ここでは、車両価格と乗る年数で、1年あたりの費用と退職金の残りがどう変わるかを整理します。
車両価格300万円・500万円・700万円の車を5年・10年・15年乗る場合の1年あたりの費用を、税金や自賠責保険料などの公表値と家計調査のガソリン代・整備費で試算し、退職一時金の平均から車の代金を出した場合の残りとも比べました。
※退職一時金の平均1623万円は、厚生労働省「令和5年就労条件総合調査」の大学・大学院卒(管理・事務・技術職)で、勤続20年以上かつ45歳以上の定年退職者のうち、退職一時金制度のみの会社の平均(令和4年1年間に退職した人)です。ガソリン代と整備費は、総務省統計局「家計調査」2025年の二人以上の世帯のうち、世帯主が60〜69歳の世帯の年間支出です。
1. 退職金で買う車の維持費は1年あたりいくら?税金と自賠責保険料で約6.9万円、ガソリン代と整備費を足すと約18.2万円
車の税金は車両価格ではなく、自動車税は総排気量、自動車重量税は車両重量で決まります。仮に、総排気量2リットル超2.5リットル以下・車両重量1.5トン超2トン以下のガソリン車の場合、1年あたりの維持費は次のとおりです。
- 【自動車税】年4万3500円(東京都主税局「自動車税」)
- 【自動車重量税】年1万6400円(0.5トンあたり年4100円)
- 【自賠責保険料】年9280円(2年契約1万8560円)
- 【ガソリン代】年7万4964円(家計調査の60〜69歳の世帯の平均)
- 【整備費】年3万8188円(同)
- 【合計】年約18.2万円(税金と自賠責保険料だけなら年約6.9万円)
金融庁「自賠責保険基準料率改定の届出について」(2026年4月の第153回自賠責保険審議会の資料)によると、自賠責保険料は2026年11月1日から全車種平均で6.2%引き上げられ、自家用乗用自動車の2年契約は1万7650円から1万8560円になりました(離島以外の地域・沖縄県を除く)。
また、群馬県「自動車税の税制改正について」によると、車を買うときにかかっていた自動車税の環境性能割は、2026年3月31日に廃止されました。
※家計調査のガソリン代と整備費は、車を持っていない世帯も含めた平均です。任意の自動車保険料(同じ世帯で年4万7855円)と駐車場代は、合計に含めていません。