6. 【元FP会社職員の視点】検証:ガソリンの現金価格とカード価格の差額は「1リットルあたり」より「1年の給油量」で見ると大きさがつかめる
試算から見えることの1つ目は、同じ1リットル3円の差でも、給油量によって1年の差額が大きく変わることです。全国平均の給油量なら年約1320円ですが、山口市では年約2126円、東京都区部では年約385円で、山口市と東京都区部では約5.5倍の開きがあります。
2つ目は、差を割合で見たときの大きさです。仮に現金価格が全国平均の170.1円で、カード価格が3円高い173.1円の場合、カード払いで受け取るポイントなどの還元で差を埋めるには、カード価格の約1.7%分が必要です。2円差なら約1.2%、5円差なら約2.9%になります。
1リットル3円の差は、全国平均の給油量で月約110円です。1回の給油では気づきにくい額でも、1年にすると約1320円になります。
数字の読み方としては、家計調査の購入数量は車を持たない世帯も含めた平均で、車をよく使う世帯ではもっと多くなる、と受け止めておくと整理しやすいように思います。ご自身の給油量は、レシートやカードの利用明細で確かめることができます。
どの支払い方法を選ぶかに、正解は一つではありません。ご自宅の近くの店の現金価格とカード価格の差を、1年の給油量に掛けて書き出してみると、ご家庭にとっての差額の大きさが見えやすくなるかもしれませんね。
7. まとめ
ガソリンの現金価格とカード価格の差について、国民生活センターは、現金取引の場合と異なる代金を請求することは加盟店規約に違反している可能性があると説明しています。個々の価格表示が規約に当てはまるかどうかは、店とカード会社の契約によります。
差額は、家計調査の全国平均の給油量で、1リットル2円差なら年約880円、3円差なら年約1320円、5円差なら年約2200円です。10月26日時点のガソリンの全国平均は170.1円で、国の補助により170円程度に抑えられています。
※本記事の試算は一定の前提に基づく概算です。ガソリンの給油量は家計調査の二人以上の世帯の平均で、実際の差額は給油量や店の価格によって異なります。カードの取り扱いは利用しているカード会社、ガソリン価格や補助の内容は資源エネルギー庁の公表資料でご確認ください。
参考資料
- 国民生活センター「【クレジットカード】飲食代をクレジット決済したら、『カード手数料』を上乗せされた。現金決済の場合と金額が違うが問題ないのか知りたい。」
- 資源エネルギー庁「石油製品価格調査 調査の結果」
- 資源エネルギー庁「中東情勢を踏まえた緊急的激変緩和措置」
- 資源エネルギー庁「エネルギー価格の支援について」
- 総務省統計局「家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 年報 第6-2表 1世帯当たり年間の品目別購入数量」
- 総務省統計局「家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 年報 第7-2表 都市階級・地方・都道府県庁所在市別1世帯当たり年間の品目別購入数量」
下村 美乃莉