4. 【「富裕層」の目安】野村総合研究所の推計では純金融資産1億円以上、165.3万世帯

「富裕層」という言葉を聞く機会も増えてきました。民間の推計として、野村総合研究所の2025年2月の発表があります。

4.1 野村総合研究所の推計による富裕層・超富裕層

野村総合研究所は、純金融資産保有額が1億円以上5億円未満の世帯を「富裕層」、5億円以上の世帯を「超富裕層」として、2023年は合わせて165.3万世帯と推計しています。このうち富裕層は153.5万世帯、超富裕層は11.8万世帯と推計されています。

4.2 家計調査の貯蓄と純金融資産保有額の違い

純金融資産保有額とは、預貯金や株式などの金融資産から、負債を引いた残りの金額のことです。家計調査の貯蓄の現在高は、負債を差し引く前の金額です。数え方も対象も違うため、2つの資料の数字はそのまま比べられない点に注意が必要です。

「富裕層」という言葉を目にしたときは、どの資料の、どんな数え方の数字なのかを確かめておくと、わが家と比べるときにも迷いにくくなるでしょう。

貯蓄の金額が大きいかどうかより、わが家の暮らし方や、これからのお金の使い道に合った持ち方になっているかを見ていくほうが、日々の家計にも生かしやすいと考えられます。

5. 【年末に向けて】冬のボーナスの前に、わが家の貯蓄を種類ごとに書き出す

家計調査では、貯蓄を、通貨性預貯金、定期性預貯金、生命保険など、有価証券、金融機関外などに分けて集計しています。わが家の貯蓄も、同じように種類ごとに分けて見てみると、中身がつかみやすくなるでしょう。

5.1 貯蓄を種類ごとに書き出す

普通預金や定期預金、保険、株式、投資信託などを、種類ごとに分けて書いてみると、合計の金額だけでなく、すぐに使えるお金と、長く置いておくお金の分かれ方も見えてくるでしょう。

年末は、通帳や、証券会社から届く取引残高報告書などを見返しやすい時期です。書類を1か所にまとめておくと、来年も同じように振り返りやすくなります。

5.2 住宅ローンなどの負債もあわせて見る

家計調査の貯蓄の現在高は、負債を差し引く前の金額です。住宅ローンなどの残高もあわせて書き出すと、手元に残るお金の見当がつけやすくなるかもしれません。

冬のボーナスが入る前に、この1年で貯蓄がどのくらい増えたかを振り返っておくと、ボーナスの使い道を家族で話し合うときの手がかりになるでしょう。

境目の金額と比べるときは、1回の結果で一喜一憂するより、毎年同じ時期に書き出して、去年のわが家と比べるほうが、変化に気づきやすいかもしれません。年末の書き出しを、来年の貯蓄の目安を考える習慣にしておくと、家族で話し合うときにも共通の材料になるでしょう。

6. まとめにかえて

ほかの家庭の貯蓄を知ると、つい自分と比べたくなるものです。数字は、わが家の現在地を知るための目安として受け止めたいところです。

2026年4〜6月期の二人以上世帯の貯蓄は、平均2206万円、中位数1257万円で、上位1割の境目は5380万円、4000万円以上の世帯は15.7%でした。

年末に向けて、わが家の貯蓄と負債を一度書き出してみると、来年の家計の見通しを立てやすくなるでしょう。

参考資料

宮野 茉莉子