4. 入院・入所中の家財保管料は月1万4000円、入院後1年が限度
部屋を引き払って家財を預ける必要があるときは、特別基準として家財保管料が認められる場合があります。
4.1 単身でやむを得ず家財を自宅以外に預ける場合が対象
局長通知は、医療機関や介護老人保健施設、社会福祉施設、無料低額宿泊所、日常生活支援住居施設等に入院・入所している単身の人が、やむを得ない事情で家財を自宅以外の場所に保管してもらう必要がある場合を対象にしています。
その費用をほかからの援助などで賄えないときは、入院・入所後1年間を限度に、月額1万4000円を特別基準として認定して差し支えないとされています。
4.2 住宅費を認定した月数は12か月から差し引く
ただし、明らかに入院・入所後1年以上の入院加療や、入所による指導訓練が必要な人は、この限りではないとされています。
また、入院・入所後に住宅費が認定されていた場合は、12か月からその月数を差し引いた月数の範囲で認定するとされています。たとえば住宅費を6か月認定していれば、家財保管料を認定できるのは残りの6か月の範囲です。
5. 入院・入所や入居が6か月を超える見込みなら家財処分料も認定できる
家に戻る見込みが立たないときは、家財を処分するための費用が認められる場合もあります。
5.1 有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅への入居も対象
局長通知は、借家などに住む単身の人が医療機関や社会福祉施設等に入院・入所する場合のほか、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅に入居する場合も対象にしています。
入院・入所や入居の見込み期間が6か月を超えるため、本当に家財の処分が必要になった場合が対象です。
5.2 敷金の返還金などで賄えないときに必要最小限度の額
敷金の返還金やほかからの援助などで処分の費用を賄えないときは、家財の処分に必要な最小限度の額を特別基準として認定して差し支えないとされています。
家財保管料のような月額の定めはなく、処分に必要な最小限度の額が基準です。
6. 家財道具を預ける・引き取るときの荷造費と運搬費は移送費で
家財を預けたり引き取ったりするときに運ぶ費用は、生活扶助の移送費の項目に定められています。
6.1 実施機関が事前に承認した必要最小限度の額
局長通知は、住居を失った人が家財道具をほかに保管する場合や、その家財道具を引き取る場合で真にやむを得ないときに、荷造費と運搬費について、実施機関が事前に承認した必要最小限度の額を認定して差し支えないとしています。
承認は事前が前提なので、業者に頼む前に見積もりを取り、福祉事務所に相談しておくことが大切です。
7. 入院が決まったら家賃と家財の扱いを福祉事務所に相談する
生活保護を受けている高齢者の単身世帯は、令和8年7月分で84万4423世帯でした。単身で入院したときの家賃は、退院の見込みがあれば入院後6か月まで、さらに3か月まで延長できる扱いです。
入院が長くなるときは、家財保管料が月1万4000円で1年を限度に、6か月を超える入院・入所や入居では家財処分料も認められる場合があります。退院の見込みが分かった段階で、担当のケースワーカーに相談しておきましょう。
参考資料
- 厚生労働省「2026(令和8)年4月1日施行 生活保護実施要領等」
- 厚生労働省「生活保護法による保護の実施要領について」
- 厚生労働省「被保護者調査(令和8年7月分概数)」
- 厚生労働省「生活保護制度に関するQ&A」
鶴田 綾