3. 産業別の1人平均賃金の改定額、建設業は2万599円、医療、福祉は8540円
産業別に見ると、2026年の1人平均賃金の改定額は、建設業の2万599円が最も多くなりました。学術研究、専門・技術サービス業が1万9492円、情報通信業が1万7884円と続きます。
改定額が最も少なかったのは医療、福祉の8540円で、運輸業、郵便業の8815円、生活関連サービス業、娯楽業の9210円が続きます。医療、福祉は前年の5589円からは増えました。
前年から改定額が増えた産業と減った産業は分かれています。学術研究、専門・技術サービス業は1万4911円から1万9492円に増えた一方、金融業、保険業は1万7567円から1万2769円に減りました。
4. 定期昇給を行った企業は81.2%、ベースアップを行った企業は57.9%
1人平均賃金の改定には、年齢や勤続に応じて上がる定期昇給と、給与の水準そのものを引き上げるベースアップがあります。2026年の実施状況を見ていきます。
4.1 定期昇給を行った・行う企業は81.2%で前年の76.8%から増えた
賃金の改定を実施した、または予定している企業と実施しない企業のうち、定期昇給を行った・行う企業は81.2%でした。前年の76.8%から4.4ポイント増えています。
4.2 定期昇給制度がある企業のうちベースアップを行った・行う企業は57.9%
定期昇給制度がある企業のうち、ベースアップを行った・行う企業は57.9%で、前年の57.8%とほぼ同じでした。企業規模別では5000人以上が79.3%、100〜299人が52.7%です。
5. 賃金の改定で最も重視した要素は「企業の業績」が46.0%、最低賃金は5.3%
賃金の改定額を決めるときに最も重視した要素は、「企業の業績」が46.0%で最も多く、前年の41.7%から増えました。「労働力の確保・定着」が12.1%、「雇用の維持」が9.2%で続きます。
「世間相場」は5.5%、「最低賃金」は5.3%でした。最低賃金を最も重視した企業の割合は、100〜299人の企業では5.8%と、5000人以上の0.5%より高くなっています。
6. 月1万3926円の賃上げを年収に置き換えるときの考え方
1人平均賃金の改定額は月あたりの数字です。単純に12か月分を足すと、1万3926円の改定額は年16万7112円になります(LIMO編集部で計算)。
ただし、これは残業代や賞与を含まない所定内賃金だけの増え方です。賞与の額を基本給をもとに決めている会社では、昇給が賞与にも反映されることがあるため、勤め先の賃金規程で賞与の決め方を確かめておくと見通しが立てやすくなります。
また、給与が増えると、社会保険料や所得税・住民税も増えます。昇給後の手取りは、改定後の給与明細で控除の欄まで確かめておきましょう。
7. まとめ
令和8年賃金引上げ等の実態に関する調査では、2026年の1人平均賃金の改定額は月1万3926円、改定率は4.4%でした。企業規模別では5000人以上が1万6680円、100〜299人が1万1279円で、産業別では建設業の2万599円が最も多くなっています。
この数字は常用労働者100人以上の企業の平均で、残業代や賞与は含みません。自分の昇給と比べるときは、給与明細の基本給と毎月の手当をそろえて見ていきましょう。
参考資料
鶴田 綾