新幹線の自由席に乗ったものの空いた席がなく、途中から指定席に移りたいと考えることがあります。乗ってからでも新幹線の自由席から指定席へ変更できるのか、変更するといくらかかるのかは、乗る前に知っておきたい点です。

片道で数百円の差でも、仕組みを知っていれば「乗る前に指定席を取る」か「乗ってから考える」かを自分で選べるでしょう。ここでは、JR各社の旅客営業規則と、JR東海が公表している料金をもとに整理します。

東京〜名古屋を「のぞみ」で乗る場合を例に、自由席と指定席の差額をシーズン別に試算し、乗る前にスマートEXで指定席を取る場合と比べます。

※料金は、JR東海「EXサービス運賃ナビ」で確かめた、2026年10月時点の東京〜名古屋(おとな1人・片道)の発売額です。

1. 新幹線の自由席から指定席へ、乗ってから変更できる?係員に申し出て承諾されれば1回に限り変更でき、料金の差額を払う

JR東海「きっぷのルール(きっぷの変更)」によると、使い始めたあとの自由席特急券は「1回に限り変更できます」とされ、その際は「変更前と変更後の料金を比較してその差額」を払います。

JR東海・JR東日本の旅客営業規則(第252条第9項)では、自由席特急券などを持つ旅客は「使用開始後にあらかじめ係員に申し出て、その承諾を受け」、指定券に変更できると定めています。車内では、指定席に座る前に車掌に申し出ることになります。

  • 【申し出る相手】係員(車内では車掌)。空いている指定席に座る前に申し出る
  • 【回数】1回に限る
  • 【列車】いま乗っている列車のまま(列車が変わる変更は扱わない〈第252条第7項〉)
  • 【支払い】変更前と変更後の料金の差額を払う。差額が余る場合でも払い戻しはない
  • 【空席】指定席に空きがなければ、変更はできない

2. 新幹線の自由席と指定席の差額はいくら?東京〜名古屋の「のぞみ」は閑散期540円〜繁忙期940円(通常期740円)

新幹線の自由席の特急料金は、1年を通して同じ額です。一方、指定席の特急料金は、JR東海「シーズン別の指定席特急料金」によると、通常期から閑散期は200円引き、繁忙期は200円増し、最繁忙期は400円増しになります。

東京〜名古屋(おとな1人・片道)の運賃と料金の合計は、次のとおりです。

  • 【自由席(1年を通して同じ)】1万560円
  • 【「のぞみ」指定席・閑散期】1万1100円(自由席との差額540円)
  • 【「のぞみ」指定席・通常期】1万1300円(同740円)
  • 【「のぞみ」指定席・繁忙期】1万1500円(同940円)
  • 【「のぞみ」指定席・最繁忙期】1万1700円(同1140円)

※試算の前提:東京から名古屋まで全区間を、同じ「のぞみ」で乗る場合です。自由席は運賃6380円+自由席特急料金4180円、「のぞみ」指定席の通常期は運賃6380円+指定席特急料金4920円(JR東海「EXサービス運賃ナビ」で確認)。差額は、指定席の合計から自由席の合計を引いた額です。

新幹線 東京〜名古屋の自由席と「のぞみ」指定席の料金(おとな1人・片道、2026年10月時点)1/1

東京〜名古屋の自由席は1年を通して1万560円。のぞみの指定席は閑散期1万1100円、通常期1万1300円、繁忙期1万1500円、最繁忙期1万1700円で、自由席との差額は540円から1140円。乗る前にスマートEXで取ると、指定席はそれぞれ200円安い

出所:JR東海「EXサービス運賃ナビ」、JR東海「シーズン別の指定席特急料金」をもとにLIMO編集部作成

2026年度の最繁忙期の日は、いずれも「のぞみ」が全席指定席で走る期間に入っています。この期間は「のぞみ」に自由席がないため、最繁忙期の1140円は、乗ってから車内で変える場面ではほとんど当てはまりません。

「ひかり」「こだま」の自由席と指定席の差額は、閑散期330円、通常期530円、繁忙期730円、最繁忙期930円です。JR東海「新幹線の特急料金」では、自由席特急料金は「通常期の指定席特急料金から530円引き」と定めています。

なお、JR東海・JR西日本は2026年10月16日、「のぞみ」の指定席特急料金を2027年7月1日購入分から改定すると発表しています。東京〜名古屋の通常期は1万1880円になり、自由席の特急料金は改定しません。

3. 新幹線の指定席を乗る前にスマートEXで取ると?東京〜名古屋の「のぞみ」は通常期1万1100円で、車内で変更するより片道200円安い

新幹線の自由席で乗ってから指定席に変更すると、払う額の合計は「自由席の額+差額」で、駅で指定席のきっぷを買った場合と同じ額になります。乗る前にスマートEXで「のぞみ」の指定席を取ると、どのシーズンでも駅で買う指定席より200円安くなります。

  • 【閑散期】スマートEXで先に取る1万900円/乗ってから変更する1万1100円
  • 【通常期】スマートEXで先に取る1万1100円/乗ってから変更する1万1300円
  • 【繁忙期】スマートEXで先に取る1万1300円/乗ってから変更する1万1500円

※試算の前提:東京〜名古屋(おとな1人・片道)を全区間「のぞみ」で乗る場合。スマートEXの額は、JR東海「EXサービス運賃ナビ」で2026年10月29日(通常期)・12月2日(閑散期)・12月29日(最繁忙期)の乗車分を確かめ、いずれも駅で買う指定席より200円安い額でした。

自由席は、スマートEXで買っても1万560円で同じです。乗る前にスマートEXで指定席を取れば、自由席との差は閑散期340円、通常期540円、繁忙期740円に縮まります。

ただし、指定席は乗る列車が決まります。JR東海「きっぷの変更」では、指定された列車に乗り遅れた場合、その日のうちなら後の列車の普通車自由席に限って使えるとしています。東北・上越・北陸新幹線などJR東日本の区間では、予約サービスは「えきねっと」になり、料金は区間ごとにJR東日本の公表の額で確かめる必要があります。