親や家族の介護について、「いつ頃から備えるべきか」と気になっている人も多いのではないでしょうか。厚生労働省の資料によると、要介護(要支援)認定率は85〜89歳で47.7%、90歳以上では73.0%に達しています。年齢別の認定率や介護給付費、介護保険制度開始以降の変化から、今後の介護需要の広がりを見ていきます。
1. 要介護認定率は85〜89歳で47.7%、90歳以上で73.0%
まずは、年齢別にどのくらいの人が要介護(要支援)認定を受けているかを確認します。
1.1 75〜79歳は11.3%、80〜84歳は25.6%
2024年9月末時点の認定者数と人口から算出した年齢別の要介護認定率は、65〜69歳が2.8%、70〜74歳が5.7%、75〜79歳が11.3%、80〜84歳が25.6%でした。
85〜89歳になると47.7%に上がり、90歳以上では73.0%です。85〜89歳では約半数、90歳以上では約4人に3人が認定を受けています。
1.2 65歳以上全体は19.5%、85歳以上全体は58.2%
年齢をまとめて見ると、認定率は65歳以上全体で19.5%、75歳以上全体で30.8%、85歳以上全体で58.2%です。
資料では、要介護認定率は年齢が上がるにつれて上昇し、特に85歳以上で上昇するとしています。
要介護認定率は、85〜89歳で47.7%、90歳以上で73.0%でした。1/4
出所:厚生労働省「持続可能性の確保(給付と負担)について」(第137回社会保障審議会介護保険部会 資料1)をもとにLIMO編集部作成
2. 人口1人あたり介護給付費は85〜89歳で年69.6万円、90歳以上は146.9万円
次に、年齢別に見た人口1人あたりの介護給付費を見ていきます。
2.1 65〜69歳は年3.5万円、80〜84歳は31.6万円
2024年度の人口1人あたりの介護給付費は、65〜69歳が年3.5万円、70〜74歳が6.9万円、75〜79歳が13.5万円、80〜84歳が31.6万円でした。
85〜89歳では69.6万円、90歳以上では146.9万円です。資料は、1人あたり介護給付費は85歳以上の年齢階級で急増するとしています。
2.2 LIMO編集部の計算:90歳以上は65〜69歳の約42倍
LIMO編集部で年齢階級どうしを比べると、85〜89歳の69.6万円は80〜84歳の31.6万円の約2.2倍です。90歳以上の146.9万円は、65〜69歳の3.5万円の約42倍になります。
なお、この金額には高額介護サービス費と高額医療合算介護サービス費は含まれていません。
3. 認定者は2000年の218万人から738万人に。85歳以上は2035年に981万人の見込み
最後に、介護保険制度が始まった2000年からの変化と、85歳以上人口の見込みを確認します。
3.1 認定者は3.4倍、サービス利用者は3.7倍に
2000年4月末と2026年4月末を比べると、65歳以上の第1号被保険者は2165万人から3587万人へ1.7倍になりました。要介護(要支援)認定者は218万人から738万人へ3.4倍です。
サービスの利用者は149万人から555万人へ3.7倍になっています。内訳は、在宅サービスが97万人から451万人、施設サービスが52万人から104万人です。
3.2 85歳以上人口は2025年707万人、2035年981万人
85歳以上の人口は、2025年の707万人から、2030年に812万人、2035年に981万人と増える見込みです。2040年には1006万人になるとされています。
要介護認定率は年齢とともに上昇し、90歳以上では約4人に3人が認定を受けています。人口1人あたりの介護給付費も90歳以上で年146.9万円と高く、85歳以上人口は2035年に981万人まで増える見込みです。家族の将来を見据え、地域包括支援センターや自治体の相談窓口など、介護に関する相談先を早めに確認しておくと安心でしょう。
ここからは、介護サービスの利用者の割合と、介護費用を支える財源の構成を見ていきます。