4. 去年の通院費は2025年分の医療費控除として還付申告する

相談者は、去年のタクシー代も取り戻せないかと考えています。医療費控除は1年ごとに計算するので、去年の分は去年の分として申告します。

4.1 今年の申告にまとめることはできない

医療費控除に入るのは、その年の1月1日から12月31日までに払った医療費です。2025年に払ったタクシー代を、2026年分の申告に足すことはできません。

去年の分を取り戻すには、2025年分の申告書を出します。会社員で年末調整を済ませた人も、医療費控除を受けるには自分で申告が必要です。

4.2 還付申告は翌年1月1日から5年間

払いすぎた所得税を返してもらうための申告を「還付申告」といいます。国税庁は、還付申告の例に医療費控除を挙げています。

還付申告は、その年の翌年1月1日から5年間出せます。2025年分なら、確定申告の期間を過ぎた今からでも間に合うのです。

4.3 2025年分も10万円を超えるかを確かめる

相談者の母がひざを手術したのは2025年10月です。2025年分は、手術のときの窓口負担と、その年の年末までの通院のタクシー代を合わせて計算します。

合計から保険金などで補てんされる金額を引き、10万円を超えていれば、2025年分も医療費控除を受けられます。超えなければ、2025年分の申告をしても税金は戻りません。

5. タクシー代を医療費控除に入れるときに残しておく記録

タクシー代は、電車やバスが使えないという条件つきで医療費控除の対象になります。あとから説明できるように、記録を残しておくと安心です。

5.1 領収書は申告のあとも保管する

確定申告書には、医療費控除の明細書を付けます。領収書は、確定申告期限などから5年を経過する日までの間、税務署から提示や提出を求められることがあります。

タクシーの領収書は、乗った日付と区間がわかる形でとっておきましょう。医療保険者が出す医療費通知を付けると、明細書の記載を簡単にできます。

5.2 電車やバスが使えなかった理由をメモする

タクシー代が対象になるかは、電車やバスが使えなかったかどうかで決まります。手術の日や、通院の日の母の様子をメモしておくと、説明がしやすくなります。

バスで通院できた日は、日付と運賃を書き残しておきます。明細書を作るときに、通院費をもれなく数えられます。

5.3 注意したい点と相談先

タクシー代を入れても、医療費の合計から10万円を引いた額が残らなければ、医療費控除はありません。また、給与から所得税が引かれていない年は、還付申告をしても戻る所得税がありません。

自分の通院がタクシー代を入れられる状況にあたるかで迷ったら、申告の前に税務署へ相談しておくと安心です。

6. まとめにかえて

通院のタクシー代は、電車やバスが使えない場合に医療費控除の対象になります。自家用車のガソリン代や駐車場の料金は、対象に含まれません。

同居して生活費を一緒にまかなっている母の通院費は、払った子の医療費控除に入れられます。相談者の例では、控除額15万2800円で税金が約3万900円軽くなる計算でした。

去年の分は、2025年分の還付申告として翌年から5年の間に出せます。領収書と通院のメモを残し、迷ったら税務署に確かめてみてください。

参考資料

太田 彩子