4.1 宿泊費と交通費で3万77円
いちばん大きいのは宿泊費で、次が交通費です。2つを足すと3万77円になり、旅行代の半分を超えます。
旅行の費用を見直すときは、まず宿と移動手段の選び方から考えると、金額の差が出やすくなります。
4.2 旅行の前後にもお金がかかる
観光庁の調査では、旅行に備えて買う物などを「旅行前後」の支出として数えています。1泊旅行では1人あたり5707円でした。
夫婦2人なら1万1414円です。旅行の予算を組むときは、出発前の買い物の分も見込んでおくと、予算からはみ出しにくくなります。
5. 旅行の予算は「1年でいくらまで」と決めておく
旅行を楽しみながら家計を守るには、毎月の残高を見て決めるより、1年単位で旅行の予算を決めておくほうが管理しやすくなります。ここでは、予算を決める前に確かめたい点を3つ挙げます。
5.1 年金は2か月分ずつ振り込まれる
公的年金は、原則として偶数月の15日に、前の2か月分がまとめて振り込まれます。相談者の夫婦なら、1回の振込は額面で約48万円です。
振込のある月とない月では、口座の残高の動きが大きく変わります。旅行に使う分を別の口座に分けておくと、使える額をつかみやすくなります。
5.2 医療や介護の費用は別に取っておく
年齢が上がるにつれて、医療費や介護の費用がかかる場面が増えていきます。旅行に使うお金とは分けて、手を付けない分を先に決めておくと安心です。
貯蓄のうち、旅行に回せるのはいくらまでかを夫婦で話し合っておくことも大切です。
5.3 迷ったときの相談先
税金や保険料が引かれたあとの振込額は、年金振込通知書の「控除後振込額」で確かめられます。手元にないときは、「ねんきんネット」に登録すれば画面で見ることができます。
貯蓄の使い方に迷うときは、取引のある金融機関やファイナンシャルプランナーに相談するのも一つの方法です。
6. まとめにかえて
年金が夫婦で月24万円という相談者の夫婦は、厚生労働省が示すモデル年金とほぼ同じ水準です。それでも、観光目的の1泊旅行を毎月続けると、夫婦で年137万7144円かかります。
65歳以上の夫婦のみの無職世帯は、平均で手取りより月4万2434円多く使っています。旅行を続けるかどうかは、年金だけで考えず、貯蓄から1年にいくらまで出すかを決めて判断すると、無理のない回数が見えてきます。
まずは年金振込通知書で実際の振込額を確かめ、夫婦で旅行の予算を話し合うところから始めてみてください。
参考資料
- 総務省「家計調査報告(家計収支編)2025年(令和7年)平均結果の概要」
- 観光庁「旅行・観光消費動向調査」
- 厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
- 日本年金機構「通知書の見方を調べる」
太田 彩子