「夫は68歳で元会社員、私は66歳です。結婚してからはほとんど専業主婦でした。年金は夫婦で月24万円ほど。月に1回、1泊の旅行を続けても大丈夫でしょうか」

年金生活に入ってからも、夫婦で旅行を楽しみ続けたいという声が届くこともあります。

観光庁が2026年4月30日に公表した「旅行・観光消費動向調査」2025年の確報では、観光・レクリエーションが目的の1泊旅行にかかる1人1回あたりの支出は5万7381円でした。夫婦2人で出かけると、1回11万4762円になります。

この記事では、総務省「家計調査」と観光庁の調査をもとに、年金が月24万円の夫婦が毎月1泊旅行をするといくらかかるのかを試算します。

1. 【年金暮らしの旅行】「毎月の旅行はぜいたく」かは年金の額と旅行の費用で決まる

毎月の旅行がぜいたくかどうかは、年金の額と旅行の費用を並べてみると見えてきます。まずは、相談者の夫婦の年金がどのくらいの水準なのかを確かめましょう。

1.1 夫婦で月24万円はモデル年金とほぼ同じ

厚生労働省は、2026年度の厚生年金の標準的な年金額を、夫婦2人分で月23万7279円と示しています。

これは、平均的な収入で40年間働いた夫の年金に、夫婦2人分の老齢基礎年金(満額)を合わせた額です。いわゆる「モデル年金」と呼ばれます。

夫が会社員、妻が専業主婦という相談者の夫婦は、このモデル年金に近い形です。年金の額だけを見ると、国が示す目安とほぼ同じ水準といえます。

1.2 旅行の費用は家計の「教養娯楽費」に入る

総務省「家計調査」では、宿泊料やパック旅行費は「教養娯楽費」に入ります。テレビや趣味の道具、習い事の月謝などと同じ費目です。

なお、旅行先までの電車代などは「交通・通信」に入ります。旅行にかかるお金が、すべて教養娯楽費に入るわけではありません。

65歳以上の夫婦のみの無職世帯では、この教養娯楽費が月2万6538円でした。1年間にすると31万8456円です。

2. 【家計調査】65歳以上の夫婦の生活費は手取りを月4万2434円上回る

次に、年金で暮らす夫婦の平均的な家計を、総務省「家計調査」の2025年平均で確認します。

65歳以上の夫婦のみの無職世帯の家計収支(2025年・1か月の平均)1/2

65歳以上の夫婦のみの無職世帯の家計収支(2025年・1か月の平均)。実収入25万4395円(うち社会保障給付22万8614円)、税金・社会保険料3万2850円、可処分所得22万1544円、消費支出26万3979円(うち教養娯楽2万6538円)、不足分4万2434円

出所:総務省「家計調査報告(家計収支編)2025年(令和7年)平均結果の概要」をもとにLIMO編集部作成

2.1 平均の消費支出は月26万3979円

65歳以上の夫婦のみの無職世帯では、消費支出が月26万3979円でした。食費や光熱費、医療費など、毎月の暮らしにかかるお金の合計です。

一方、手取りにあたる可処分所得は月22万1544円です。

手取りだけでは消費支出をまかなえず、平均で月4万2434円が不足しています。足りない分は、預貯金などを取り崩して補うことになります。