4. 年金生活者支援給付金の支給要件

ここからは、支給要件を確認していきます。所得の基準額は、2026年10月分から適用されている額です。

3種類で異なる支給要件4/9

老齢・障害・遺族それぞれの年金生活者支援給付金の支給要件を比較した表

出所:厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」をもとにLIMO編集部作成

障害年金生活者支援給付金と遺族年金生活者支援給付金の対象は、障害基礎年金か遺族基礎年金を受けていて、前年の所得が491万8000円以下の人です。扶養親族の数に応じて、この基準額は上がります。

判定に使う所得には、障害年金や遺族年金などの非課税収入は含まれません。年齢や世帯の課税状況まで要件に入るのは、老齢年金生活者支援給付金だけです。

4.1 老齢年金生活者支援給付金の支給要件

老齢年金生活者支援給付金の支給要件5/9

老齢年金生活者支援給付金の3つの支給要件と補足的老齢の対象となる所得の範囲

出所:厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」をもとにLIMO編集部作成

老齢年金生活者支援給付金を受け取れるのは、次の3つをすべて満たす人です。

  1. 65歳以上で、老齢基礎年金を受けている
  2. 同じ世帯の全員が市町村民税非課税である
  3. 前年の公的年金等の収入金額とその他の所得の合計が、1956年(昭和31年)4月2日以後生まれの人は82万6500円以下、1956年4月1日以前生まれの人は82万4100円以下である

この判定でも、障害年金や遺族年金などの非課税収入は数えません。

では、基準をわずかに超えた人はどうなるのでしょうか。基準ぎりぎりで受け取れる人との差が大きくなりすぎないよう、92万6500円以下(1956年4月1日以前生まれは92万4100円以下)までの人には「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。

※補足的老齢年金生活者支援給付金は、所得が82万6500円を超えて92万6500円以下の人(1956年4月1日以前生まれは82万4100円を超えて92万4100円以下の人)が対象です。所得が多くなるほど、給付額は少なくなります。

5. 年金生活者支援給付金の請求の手続き

年金と同じく、年金生活者支援給付金も請求しなければ受け取れません。どの書類が届くかは、年金を受け取り始める時期によって変わります。

5.1 請求書が届く時期は2通り

年金生活者支援給付金の請求手続き6/9

これから65歳を迎える人とすでに年金を受給中の人で異なる請求書の届く時期と書類

出所:日本年金機構「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が届いた方へ」をもとにLIMO編集部作成

これから65歳になる人には、誕生日の3か月前に届く老齢基礎年金の請求書に、給付金の請求書が同封されています。年金の請求書と一緒に提出すれば、手続きは1回で済みます。

すでに年金を受け取っていて、新しく給付金の対象になった人には、毎年9月の第1営業日から順に「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が送られます。必要なことを書いて目隠しシールを貼り、切手を貼って投函すれば提出できます。

老齢基礎年金を繰上げて受け取っている人は、届く書類の様式が異なります。

6. 年金生活者支援給付金の請求は毎年必要?

住民税非課税世帯などへの一度きりの給付金とは違い、年金生活者支援給付金は、要件を満たしていれば続けて受け取れる制度です。一度請求すれば、2年目からの手続きは原則いりません。

日本年金機構は毎年、市町村から前年の所得の情報を受け取り、要件を満たしているかを確かめています。その結果、給付額が変わる人には「支給金額変更通知書」、要件から外れた人には「不該当通知書」が届きます。

額が変わらない人には、この通知書は送られません。毎年度の給付額の改定のときには、別に「支給金額(改定)通知書」が届きます。

なお、日本国内に住所がないとき、年金が全額支給停止になっているとき、刑事施設などに拘禁されているときは、給付金は支給されません。

7. 【来月12月15日】所得基準の引き上げ後、初めての振込

最後に、10月から変わった所得の基準と、12月の振込までの流れを整理しておきます。

7.1 所得の基準は1万7500円の引き上げ

2026年7月8日に公布された政令で、老齢年金生活者支援給付金の所得基準額は、1956年4月2日以後生まれの人で80万9000円から82万6500円に、1956年4月1日以前生まれの人で80万6700円から82万4100円に改められました。補足的老齢年金生活者支援給付金の上限も、90万9000円から92万6500円(1956年4月1日以前生まれは90万6700円から92万4100円)に上がっています。

施行は2026年10月1日です。10月分から翌年9月分までの給付金は前年の所得で判定するため、今回の判定には2025年の年金収入とその他の所得が使われます。

7.2 はがき型の請求書は2027年1月4日までに

9月に届いたはがき型の請求書には、提出期限が書かれています。日本年金機構のリーフレットによると、2027年1月4日までに届けば、2026年10月分からさかのぼって受け取れます。

この日までに届かなかった場合も手続きはできますが、受け取れるのは請求した月の翌月分からです。振込の前には振込通知書が届くので、初めて受け取る人は通知書で額と時期を確かめておきましょう。