厚生労働省は2026年7月8日、年金生活者支援給付金の所得基準額を引き上げる政令の公布を通知しました。10月1日の施行で、老齢年金生活者支援給付金を受け取れる所得の上限は80万9000円から82万6500円に上がっています。

新しい基準で判定した10月分と11月分の給付金は、来月12月15日の年金支給日に振り込まれます。前年は基準をわずかに超えていた人でも、今年は対象に入ることがあるのです。

この記事では、年金生活者支援給付金の3つの種類と2026年度の給付額、そして12月に振り込まれる分を確認します。

1. 年金生活者支援給付金とは

まずは、年金そのものの受給額を見ておきましょう。厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2024年度末の平均年金月額は、厚生年金(国民年金の額を含む)が15万289円、国民年金(老齢基礎年金)が5万9310円でした。

厚生年金と国民年金の平均年金月額(2024年度末現在)1/9

2024年度末の平均年金月額は、厚生年金(国民年金の額を含む)が15万289円、国民年金(老齢基礎年金)が5万9310円。受給権者数はそれぞれ1608万5696人と3345万4617人

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

もっとも、これは全体をならした数字にすぎません。働き方や加入していた期間によって、月10万円に届かない人もいれば、平均を大きく上回る人もいます。

年金とほかの所得を合わせても一定の基準に届かない人には、年金に上乗せして「年金生活者支援給付金」が支給されます。

2. 年金生活者支援給付金は3種類

年金生活者支援給付金は、年金収入やその他の所得が一定の基準以下の人の暮らしを支えるため、年金に上乗せして支給されるお金です。2019年10月に始まり、2か月に一度、年金と同じ口座に振り込まれます。

年金生活者支援給付金は3種類2/9

年金生活者支援給付金の3種類と対象となる年金、金額の決まり方をまとめた表

出所:厚生労働省「年金生活者支援給付金制度」をもとにLIMO編集部作成

給付金は、もとになる年金の種類ごとに次の3つに分かれ、それぞれに給付額と支給要件が決められています。

  • 老齢年金生活者支援給付金(補足的老齢年金生活者支援給付金を含む)
  • 障害年金生活者支援給付金
  • 遺族年金生活者支援給付金

3. 【年金生活者支援給付金】2026年度の給付額

給付額は、物価の変動に合わせて毎年度改定されます。2026年度は物価変動率3.2%が反映され、基準額は前年度の月5450円から170円増えて月5620円になりました。

3.1 2025年度と2026年度の月額

年金生活者支援給付金の支給金額(月額)3/9

年金生活者支援給付金の支給金額を2025年度と2026年度で比較した表

出所:厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」をもとにLIMO編集部作成

3.2 2026年度の給付額

  • 老齢年金生活者支援給付金:基準額は月5620円
  • 障害年金生活者支援給付金:1級は月7025円、2級は月5620円
  • 遺族年金生活者支援給付金:月5620円

老齢年金生活者支援給付金は、この基準額をもとに、保険料を納めた期間や免除された期間に応じて一人ひとりの額が計算されます。基準額どおりに受け取る人なら、2か月分で1万1240円、1年分で6万7440円になる計算です。

振り込まれるのは原則として偶数月の15日で、前月までの2か月分がまとめて入ります。来月12月15日に振り込まれるのは10月分と11月分で、所得の基準が引き上げられてから初めての支給にあたります。

では、実際に受け取っている額はどのくらいでしょうか。概況によると、2025年3月に認定されていた平均の給付額(月額)は、老齢年金生活者支援給付金が4146円、障害年金生活者支援給付金が5727円、遺族年金生活者支援給付金が5228円でした。

※2025年3月の平均は、基準額が月5310円だった2024年度の単価で支給された額です。2026年度の月5620円とは基準が異なります。

老齢年金生活者支援給付金の基準額は2026年度で月5620円、12月15日には10月分と11月分がまとめて振り込まれます。自分が受け取れるかどうか、いくら振り込まれるかは、日本年金機構から届く振込通知書や支給決定通知書で確かめられます。

次のページでは、年金生活者支援給付金の支給要件と請求の手続き、2026年10月分からの所得基準の引き上げを詳しく見ていきます。