給与明細を見て、「年収の割に、実際に使えるお金は思ったより少ない」と感じたことはないでしょうか。
会社員の給与からは、健康保険料や厚生年金保険料などの社会保険料と、所得税・住民税が差し引かれます。2026年度は、健康保険料とあわせて子ども・子育て支援金の徴収が始まった一方、2026年分の所得税は基礎控除が引き上げられるなど、手取りに関わる変化が重なっています。
この記事では、年収300万円から1000万円までの会社員の手取り額を一覧で試算し、年収から引かれるお金の内訳と、2026年分の所得税が2025年分と比べてどのくらい軽くなるのかを解説します。
1. 【一覧表】年収別の手取り額(2026年・試算)
東京都に住む40歳未満・独身の会社員で、賞与がなく、年収を12等分した額が毎月支給されるケースを想定して、年収別の手取り額を試算しました。
【一覧表】年収別の手取り額(2026年・試算)1/3
出所:全国健康保険協会「令和8年度の協会けんぽの保険料率は3月分(4月納付分)から改定されます」、国税庁「No.1199 基礎控除」などをもとにLIMO編集部作成
- 年収300万円:手取り241万4412円(月約20万1201円)
- 年収400万円:手取り317万8032円(月約26万4836円)
- 年収500万円:手取り393万2416円(月約32万7701円)
- 年収600万円:手取り466万2000円(月約38万8500円)
- 年収700万円:手取り531万6720円(月約44万3060円)
- 年収800万円:手取り595万3316円(月約49万6109円)
- 年収1000万円:手取り727万2820円(月約60万6068円)
月の手取りは、年間の手取り額を12で割った目安です。
1.1 手取りは年収のおよそ7〜8割
試算では、手取りは年収300万円で80.5%、年収500万円で78.6%、年収1000万円で72.7%でした。手取りはおおむね年収の7〜8割で、年収が上がるほど手取りの割合は下がっていきます。
所得税は所得が多いほど税率が高くなるしくみのため、年収が上がると税金の負担割合も大きくなります。年収1000万円では所得税が82万1800円と、年収500万円(9万1100円)の約9倍になっています。
1.2 試算の前提
社会保険料は、協会けんぽ東京支部の2026年度の料率(健康保険料率9.85%、子ども・子育て支援金率0.23%)、厚生年金保険料率18.3%、雇用保険料率(一般の事業の労働者負担0.5%)をもとに、本人負担分を計算しています。厚生年金保険料は標準報酬月額の上限65万円を反映していますが、標準報酬月額の等級は考慮せず、月給額で概算しています。
所得税は2026年分の控除額と税率で計算し、復興特別所得税を含みます。住民税は前年も同じ年収だったと仮定し、2026年度の住民税の控除(基礎控除43万円)で計算しました。社会保険料以外の控除(生命保険料控除や扶養控除など)はないものとしています。
2. 年収から引かれるお金は「社会保険料」と「税金」
年収から引かれるお金は、大きく分けて社会保険料と税金の2つです。年収500万円の場合の内訳を見てみましょう。
年収500万円から引かれるお金の内訳(試算)2/3
出所:全国健康保険協会「令和8年度の協会けんぽの保険料率は3月分(4月納付分)から改定されます」、国税庁「No.2260 所得税の税率」などをもとにLIMO編集部作成
2.1 社会保険料:年収500万円で年73万4484円
年収500万円の場合、社会保険料は年73万4484円で、年収の約15%にあたります。内訳は次のとおりです。
- 健康保険料:24万6240円
- 子ども・子育て支援金:5748円
- 厚生年金保険料:45万7500円
- 雇用保険料:2万4996円
最も大きいのは厚生年金保険料で、社会保険料全体の6割以上を占めます。子ども・子育て支援金は、2026年度から健康保険料とあわせて徴収されるようになったもので、協会けんぽの支援金率は全国一律で0.23%(本人負担はその半分)です。
2.2 税金:所得税9万1100円、住民税24万2000円
税金は、所得税が9万1100円、住民税が24万2000円でした。住民税は、所得割が課税所得の10%、均等割が5000円(森林環境税1000円を含む)で、年収500万円では所得税よりも住民税の負担のほうが大きくなっています。
社会保険料と税金を合わせると年106万7584円で、手取りは393万2416円です。