5. 生命保険の受取人が亡くなった祖母のままで父のきょうだいが2人なら?家族の外へ約200万円
祖母の子が父ときょうだい2人の3人なら、受取人は父のきょうだい2人と母、子2人の5人になり、1人約100万円です。父のきょうだい2人で約200万円となり、死亡保険金の4割が家族の外へ渡ります。
※試算の前提:ほかの条件は前の試算と同じ。5人で均等に分けた。
受取人の相続人がさらに亡くなっていると、その相続人も受取人に加わります。受取人を変えないまま年月がたつほど、受け取る人が増え、連絡を取る相手も多くなります。
6. 【行政取材の視点】検証
生命保険の受取人が亡くなったままの契約で迷いやすいのは、基準が「被保険者の相続人」ではなく「亡くなった受取人の相続人」になる点です。
今回の試算では、死亡保険金500万円のうち約125万円が父のきょうだいに渡りました。母と子2人が受け取るのは合計約375万円で、母の取り分は子と同じ約125万円です。
数字を読むときは、「誰に渡るか」と「税金がどう扱われるか」を分けて見るとよいと思います。非課税枠は相続人が受け取った分にしか使えません。相続税がかからない家庭でも、受け取る人の範囲が広がることは変わりません。
行政の手続きを取材していても、届け出た内容が古いままだと、あとから集める書類が増える場面は少なくありません。受取人の指定も同じで、変更できるのは契約者が存命で、保険事故が起きる前に限られます。
保険証券の受取人の欄に亡くなった人の名前があれば、契約者が元気なうちに変更を済ませておくと安心ではないでしょうか。
7. まとめ
生命保険の受取人が亡くなったままだと、死亡保険金は亡くなった受取人の相続人の全員が受け取り、割合は原則として人数で均等です。今回の例では、500万円のうち約125万円が父のきょうだいに渡り、その分には非課税の適用がありません。
受取人の変更は契約者が保険会社に伝えて行い、死亡保険では被保険者の同意も必要です。受け取る割合は約款で決まっている場合もあるため、契約先の保険会社で確かめておくと安心です。
※本記事の試算は一定の前提に基づく概算です。保険金の受取人や受け取る割合は、保険会社の約款や家族の状況によって異なります。実際の扱いは契約先の保険会社や税務署でご確認ください。
参考資料
- e-Gov法令検索「保険法」
- 法務省「保険事故発生前に保険金受取人が死亡した場合の規律」
- 国税庁「No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金」
- 国税庁「No.4157 相続税額の2割加算」
- 国税庁「No.4152 相続税の計算」
齊藤 慧