3. 無縁墓は管理料が滞ると勝手に撤去されてしまう?墓埋法の手続きと主体

お墓の管理料の支払いが途絶え、連絡が取れなくなった場合でも、墓地管理者が勝手に墓石を撤去して遺骨を処分することはできません。

「墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)」および同施行規則第3条に基づき、墓地管理者(市営霊園の場合は自治体、寺院・民間霊園の場合は宗教法人や霊園管理者)が、墳墓所在地の市区町村長に対して改葬許可を申請するにあたっては、厳格な手続きを踏むことが義務付けられています。

【図版2】無縁墳墓改葬の法的フローと手続きの流れ2/2

【図版2】無縁墳墓改葬の法的フローと手続きの流れ

出所:厚生労働省および関係法令をもとにLIMO編集部作成

官報掲載(1年間)と現地への立札設置(1年間)という「1年間の二重の告知期間」を経ることが求められており、無縁墓の整理には相応の期間と法的手続きが必要です。

4. お墓じまいで知っておきたいトラブルが2つある 行政の対応は

お墓の整理を進めるにあたっては、管理者側・個人側の双方でトラブルが発生するケースがあります。

4.1 無縁墓を合祀したあとに親族が現れたらどうなる?

1年間の法的手続きを経て無縁墓を撤去し、遺骨を無縁塚などに合祀(他の遺骨と一緒に納骨)した後に、音信不通だった遠縁の親族が現れる事例があります。

合祀された遺骨は個別に取り出すことができないため、「事前に連絡がなかった」「遺骨を返してほしい」といったトラブルに発展するリスクがあります。このため厚生労働省は、自治体・管理者に対し、生前からの縁故者情報のデータベース化や告示手続きの記録保存を指導しています。

4.2 寺院が埋蔵証明書を出してくれないときの救済措置は?

個人がお墓じまいを行う際、寺院(墓地管理者)から高額な離檀料を求められたり、改葬申請に必要な「埋蔵証明書(お墓に誰が眠っているかの証明)」の発行を拒否されたりする事例が報告されています。

これを受け、厚生労働省は令和8(2026)年1月23日付で全国の自治体へ事務連絡(Q&A)を発出しました。寺院等が正当な理由なく埋蔵証明書の発行を拒んだ場合、申請者が「お墓の写真」や「証明書を取得できない経緯を記した申述書」などを提出すれば、自治体(市町村長)の判断で代替書面として認め、改葬許可を出して差し支えないとする統一ルールが周知されています。