4. 2割負担の見直しで見落としやすい注意点は3つ
4.1 注意点1 年金額だけでなく、年金以外の所得も合算される
判定に使う「年金収入+その他の合計所得金額」には、年金以外に給与や不動産などの所得がある場合、その分も合算されます。年金額だけで「うちは対象外」と判断しないよう注意が必要です。
また、現行の2割負担は、年金収入等の基準に加えて、本人の合計所得金額が160万円以上であることも要件です。年金収入等が基準を超えていても、この要件を満たさなければ2割にはなりません。
4.2 注意点2 預貯金で1割に戻すには、申請が前提の案である
預貯金による配慮措置は、基準を超えた人が自動的に1割になる仕組みではなく、申請により1割負担に戻す案です。確認方法は、施設の食費・居住費を軽減する補足給付と同様に、通帳の写しなどによる申告を軸とする方向が想定されています。
制度が実施される場合は、預貯金の状況を示す書類を準備する手間が生じる見込みです。
4.3 注意点3 負担増の上限は「当分の間」の措置である
月7000円までに負担増を抑える案は、「当分の間」の配慮措置として示されたものです。恒久的な上限とは示されておらず、どのくらいの期間続くのかも現時点では明らかではありません。
実際の自己負担は、高額介護サービス費など他の制度でも変わるため、お住まいの市区町村の窓口で確認してください。
5. 新たに2割負担になるのは最大約35万人?厚生労働省の試算を読み解く
厚生労働省が部会に示した粗い試算では、新たに2割負担となる人数と、給付費などへの影響は次のとおりです。
- 260万円の案:約13万人(給付費▲約80億円、保険料▲約40億円、国費▲約20億円)
- 250万円の案:約21万人(給付費▲約120億円、保険料▲約60億円、国費▲約30億円)
- 240万円の案:約28万人(給付費▲約170億円、保険料▲約80億円、国費▲約40億円)
- 230万円の案:約35万人(給付費▲約210億円、保険料▲約100億円、国費▲約50億円)
令和7年3月時点で2割負担の23万4062人と比べると、230万円の案では対象者が現在の約2.5倍に増える計算です。
対象を広げることで給付費や保険料が抑えられる一方、利用者の負担は増えます。部会では賛否が分かれており、2025年12月の部会では対象拡大の結論が見送られました。
6. まとめにかえて|親の「年金額・所得・預貯金」を今のうちに整理しておく
介護保険の2割負担は、単身で年金収入等230万〜260万円(月約19.2万〜21.7万円)が新たな目安として検討されている段階です。預貯金が少ない場合に1割へ戻す案や、負担増を月7000円までに抑える案もあわせて議論されています。
結論はこれからのため、今できる準備として、親御さんの年金額、年金以外の所得の有無、預貯金など金融資産の概算を把握しておくと安心です。現在の負担割合は、介護保険負担割合証で確認できます。最新の情報は、厚生労働省の発表や市区町村の介護保険担当窓口、地域包括支援センターでご確認ください。