「公務員の退職金は民間より多い」と聞くことがあります。公務員の退職金(退職手当)の平均は、国家公務員の定年退職で2160.1万円です。ただ、民間の平均と比べるときは、勤続年数・学歴・退職理由をそろえないと差を読み違えます。

富裕層や法人のお客さまの資産運用のご相談を受けていた経験からお伝えすると、公務員の退職金は、金額を比べる前に「どんな条件の人の平均か」を早めに確かめておきたいテーマです。ここでは、公務員と民間の退職金を同じ条件にそろえて比べます。

国家公務員と地方公務員(警察官を含む)の定年退職の平均を勤続年数別に整理し、勤続35年以上の定年退職で民間の大学・大学院卒と比べました。

※国家公務員の平均は内閣官房内閣人事局「退職手当の支給状況」(令和6年度に退職した常勤職員)、地方公務員の平均は総務省「令和7年地方公務員給与の実態」(令和6年度に退職した職員)、民間の平均は厚生労働省「令和5年就労条件総合調査」(令和4年1年間に退職した人)の数字です。

1. 公務員の退職金の平均はいくら?国家公務員の定年退職は2160.1万円、自己都合退職は345.4万円

内閣官房内閣人事局「退職手当の支給状況」によると、令和6年度に退職手当を受け取った国家公務員(常勤職員)は3万1193人で、平均支給額は1094.3万円でした。退職理由別の平均は次のとおりです。

  • 【定年】2160.1万円(1万1073人、平均勤続37年1か月、退職時の平均年齢59.4歳)
  • 【応募認定(早期退職の募集に応じた退職)】2470.3万円(1859人、平均勤続34年8か月)
  • 【自己都合】345.4万円(9951人、平均勤続9年10か月)
  • 【その他(任期の終了や死亡など)】263.0万円(8310人、平均勤続4年3か月)

全体の平均1094.3万円には、勤続5年未満で退職した1万1902人も含まれます。公務員の退職金を「平均でいくら」と見るときは、全体の平均ではなく、退職理由と勤続年数を決めてから数字を選ぶ必要があります。

2. 公務員の退職金は勤続年数でどう変わる?国家公務員の定年退職は35〜39年の2328.6万円が最も多く、40年以上は2246.4万円

同じ資料で、定年退職の平均支給額を勤続年数別に見ると、勤続30年以降は次のとおりです。

  • 【勤続30〜34年】2030.3万円(2443人)
  • 【勤続35〜39年】2328.6万円(3779人)
  • 【勤続40年以上】2246.4万円(4132人)
  • 【勤続35年以上(35〜39年と40年以上の合計)】約2285.7万円(7911人)

勤続40年以上の平均は、35〜39年より約82.2万円少なくなっています。この統計には学歴や役職の内訳がないため、理由は数字からは分かりませんが、「長く勤めた人ほど多い」とは限らないことが分かります。

退職理由でも差があります。同じ勤続30〜34年で比べると、定年退職の2030.3万円に対し、自己都合退職は1681.3万円(485人)で、約349.0万円少なくなります。

※勤続35年以上の平均は、勤続35〜39年と40年以上の平均支給額を人数で重み付けして計算しました。