5. 【元FP会社職員の視点】検証:貯金1000万円で早期退職を考えるなら、運用の割合より生活費の見直しが先
試算では、運用に回す割合や利回りを変えても、もつ期間の差は最大で約10か月でした。一方、月の生活費を約3万円減らすと、運用に回さなくても約5年2か月(62か月)もつ計算になります(利息を除く概算)。
FP会社でマネーセミナーの運営を支えていた頃も、「どう増やすか」に関心が向きやすく、毎月の支出を数字で見る機会は意外と少ないと感じていました。数字の読み方としては、運用の割合より先に、毎月の生活費を確かめることが大切です。
また、年3%・5%・7%はあくまで仮定です。株式型の投資信託などは値動きがあり、取り崩す時期に価格が下がると、元本割れしたまま売ることになる可能性があります。この年数は保証されたものではありません。
今回の試算には、退職後にかかる国民健康保険料や年金保険料、税金を含めていません。加入する制度によって負担が変わるため、実際にはこの年数より短くなることがあります。お住まいの自治体や年金事務所の窓口で確認してみてください。
今回の試算には、退職金や退職後の収入も含めていません。これらがある場合は、その分だけもつ期間が延びます。退職金の有無や額は勤め先の規程などで決まるため、ご自身の場合は勤め先に確認してみてください。
正解は一つではありません。貯金の額、生活費、退職までの時間は、それぞれの状況で異なります。まずは毎月の支出を書き出すところから、無理のない範囲で第一歩を踏み出してみてください。
6. まとめ
貯金1000万円を普通預金に預けたまま早期退職すると、月約19万円の生活費なら約4年4か月でなくなる試算でした。運用に回す割合や利回りを変えても、最長で約5年2か月です。
運用は、もつ期間を延ばす手段の一つですが、値動きがあります。生活費の見直しや退職までの期間とあわせて、ご自身のペースで考えていきましょう。
※本記事の試算は一定の前提に基づく概算です。将来の運用成果を保証するものではなく、投資には元本割れのリスクがあります。最新の情報は、各機関の公表資料でご確認ください。
参考資料
下村 美乃莉