5. 学費比較で見落としやすい注意点が3つある

4年間の総額を比べるとき、金額の大小だけを見ると判断を誤りやすくなります。次の3点を押さえておきましょう。

5.1 ①4年次に校友会費などが加わる大学がある

4年次などに加わる校友会費・学員会費3/3

4年次などに加わる校友会費・学員会費。立教大学5万円、早稲田大学4万円、明治大学・青山学院大学・法政大学3万円、中央大学2万円、立命館大学4万円、同志社大学は金額未確認

出所:早稲田大学「入学金や授業料など納付金」ほか各大学の公表資料をもとにLIMO編集部作成

入学後にかかる費用は、授業料だけではありません。卒業を前に校友会費などを一括で納める大学があり、金額は2万円から5万円ほどです。

  • 立教大学:校友会費5万円(4年目の春学期に徴収)
  • 早稲田大学:校友会費4万円(最終年度・最終学期、卒業後10年分)
  • 明治大学:校友会費3万円(4年次)
  • 青山学院大学:校友会費3万円(4年次前期)
  • 法政大学:校友会費3万円(4年次)
  • 中央大学:学員会費2万円(4年次)

立命館大学は、校友会費3万円と学部校友会費1万円を4回生時に一括で納める仕組みです。同志社大学も4年次に校友会費などが加わりますが、金額は今回確認できませんでした。立命館大学の478万8800円と同志社大学の480万8000円には、これらの費用が含まれていません。

5.2 ②学費の決まり方は大学で異なる

学費の水準だけでなく、入学後にどう変わるかも大学ごとに違います。

立命館大学は、授業料が全年次で同額となる「一定方式」を採用しています。関西学院大学は、2026年度入学者向けに在学中は学費を改定しない「4年間一括明示方式」を示しています。

一方、慶應義塾大学は授業料などがスライド制の対象で、国家公務員の給与改定を基準に毎年の額が変わる可能性があります。明治大学や青山学院大学のように、年次が進むにつれて授業料が上がる大学もあります。

このため、初年度の額を4倍して総額を見積もると、実際とずれることがあります。たとえば明治大学の初年度138万7300円を4倍すると554万9200円ですが、算出した4年間の額は500万9200円で、約54万円の差が出ます。

5.3 ③年度がそろっていない資料を並べると誤差が出る

本記事では、慶應義塾大学・法政大学・関西学院大学は2026年度入学者、ほかの大学は2027年度入学者の資料を使っています。入学年度が違えば、学費の改定によって額が変わる場合があります。

また、各大学の資料には、諸会費の額や納入時期が変更される場合があるといった注記もあります。実際に納める額は、受験する年度の入学手続要項などで確認しましょう。

6. 学費の負担を軽くする公的な支援は?

学費の負担を抑える仕組みとして、国の修学支援新制度があります。住民税非課税世帯とそれに準ずる世帯、多子世帯、理工農系学部の学生のうち、支援を希望する人が対象です。

文部科学省の資料によると、扶養する子が3人以上の多子世帯は、2025年度から所得制限なしで授業料などの減免を受けられます。私立大学の減免の上限額は、授業料が70万円、入学金が26万円です。授業料がこの上限を超える場合、超えた分は減免の対象外になります。

早稲田大学の学費一覧表の注記には、条件に当てはまる場合も自動的に対象になるわけではなく、高校在学中の予約申請や入学後の申請が必要と記されています。該当しそうな世帯は、申請の時期を早めに確認しておくと安心です。

  • 私立大学の授業料の減免上限:70万円
  • 私立大学の入学金の減免上限:26万円
  • 対象となる多子世帯:扶養する子が3人以上

7. まとめにかえて|志望校の最新の学費表で4年間を試算しよう

早慶MARCH関関同立11大学の法学部では、公表資料から算出した4年間の納入額が約455万円から約545万円まで開きました。初年度の納入額は、11大学のうち9校が私立文系の平均121万2235円を上回っています。

金額を比べる際は、入学年度、校友会費などの4年次の費用、授業料が年々変わる仕組みかどうかを確認することが大切です。志望校の入学手続要項や学費一覧で、受験する年度の額を確かめてみてください。

支援制度の対象になる可能性がある世帯は、申請の時期も含めて、文部科学省や日本学生支援機構の公式ページで最新の情報を確かめておきましょう。

参考資料