志望校の学費が4年間で合計いくらになるのか、見当がつかないまま進路の検討を進めている保護者や受験生は少なくないでしょう。

各大学が公表している2026年度・2027年度入学者向けの学費資料をもとに、早慶MARCH関関同立11大学の法学部を比べると、4年間の納入額は約455万円から約545万円まで、約90万円の開きがありました。文部科学省の調査では、私立大学の文系学部の初年度納付金の平均は121万2235円とされています。

本記事では、11大学の4年間の総額と初年度の金額、2027年度入学者から変わる点、比較で見落としやすい注意点を整理します。

1. そもそも大学の学費は何で構成されている?

大学に納める費用は、入学時だけにかかる「入学金」と、毎年かかる「授業料」「施設設備費(教育充実費)」「諸会費」などに分かれます。

文部科学省「令和7年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金等平均額(定員1人当たり)の調査結果について」によると、私立大学の文系学部の平均は次のとおりです。

  • 授業料:85万392円
  • 入学料:21万9951円
  • 施設設備費:14万1892円
  • 3項目の合計:121万2235円

このほかに、後援会費(父母会費)や学会費、卒業時に集める校友会費などが大学ごとに別途かかります。同じ法学部でも、どの費用まで含めて数えるかによって、総額の見え方が変わります。

2. 早慶・MARCH・関関同立の法学部、4年間の総額はいくら?

早慶・MARCH・関関同立の法学部:11大学 法学部の4年間の納入額1/3

早慶MARCH関関同立11大学の法学部の4年間の納入額。最も低いのは法政大学の455万400円、最も高いのは慶應義塾大学の約545万円で、差は約90万円

出所:法政大学「2026年度学費一覧(学部学費)」ほか各大学の公表資料をもとにLIMO編集部作成

公表資料から算出した4年間の納入額は、最も低い法政大学(2026年度入学者)が約455万円、最も高い慶應義塾大学(同)が約545万円でした。その差は約90万円です。

算出額の低い順に並べると、次のとおりです。年度や含まれる費目は大学によって異なります。

  • 法政大学:455万400円(2026年度入学者、法律学科、校友会費3万円を含む)
  • 関西学院大学:462万円(2026年度入学者、入学金を含み、後援会費などその他の諸費は除く)
  • 関西大学:467万8000円(2027年度入学者、諸費・校友会基本会費を含む)
  • 立命館大学:478万8800円(2027年度入学者、入学金と授業料のみ)
  • 同志社大学:480万8000円(2027年度入学者、学会費を含み、4年次の校友会費等は除く)
  • 立教大学:494万8000円(2027年度入学者、校友会費5万円を含む)
  • 明治大学:500万9200円(2027年度入学者、校友会費3万円を含む)
  • 早稲田大学:約501万円(2027年度入学者、校友会費4万円を含み、2年次以降の諸会費などは別途)
  • 中央大学:507万1300円(2027年度入学者、学員会費2万円を含む)
  • 青山学院大学:529万4000円(2027年度入学者、改定後の学費)
  • 慶應義塾大学:約545万円(2026年度入学者、2年次以降を同額とした試算)

グループ別に見ると、関関同立の4校は462万円から約481万円(480万8000円)に収まりました。MARCHの5校は約455万円から529万4000円まで幅があり、早慶の2校は約501万円と約545万円でした。

MARCHの中でも、法政大学と青山学院大学の差は約74万円あります。大学群の名前だけで学費の水準を判断するのは難しいといえます。

たとえば関西大学の場合、1年次の127万7000円、2年次の114万7000円、3年次と4年次の各112万7000円を合わせた467万8000円です。

3. 初年度に納める金額は?私立文系の平均と比べると

法学部の初年度納入額と私立文系の平均2/3

法学部の初年度納入額と私立文系の平均。慶應義塾大学が約151万円、関西学院大学が115万5000円で、文部科学省の平均121万2235円を上回る大学は11大学のうち9校

出所:文部科学省「令和7年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金等平均額(定員1人当たり)の調査結果について」ほか各大学の公表資料をもとにLIMO編集部作成

入学手続きの時点で必要になるのは、入学金を含む初年度の納入額です。算出した11大学の初年度の額は、次のとおりです。

文部科学省の平均121万2235円を上回る大学は、11大学のうち9校でした。ただし、この平均は授業料・入学料・施設設備費の3項目のみの金額です。各大学の額には諸会費を含むものがあり、単純な比較にはなりません。

  • 慶應義塾大学:約151万円(2026年度入学者)
  • 中央大学:141万3700円(2027年度入学者)
  • 明治大学:138万7300円(2027年度入学者)
  • 立教大学:137万4500円(2027年度入学者)
  • 青山学院大学:136万1000円(2027年度入学者)
  • 立命館大学:134万7200円(2027年度入学者、入学金と授業料のみ)
  • 法政大学:131万4600円(2026年度入学者)
  • 関西大学:127万7000円(2027年度入学者)
  • 早稲田大学:125万700円(2027年度入学者)
  • 同志社大学:120万2000円(2027年度入学者)
  • 関西学院大学:115万5000円(2026年度入学者、入学金と授業料・教育充実費の合計)

なお、入学時に一度に納める額は初年度の総額とは限りません。たとえば早稲田大学は、春学期分の72万7850円を入学時に納め、残りを秋学期に納める形です。

4. 2027年度入学者から学費が変わる大学は?

2027年度入学者の学費が公表されている大学のうち、変更が確認できたのは次の2校です。

青山学院大学は、2027年度入学者から学費を改定します。入学金は20万円から8万円に下がる一方、授業料は前期・後期とも各55万2000円(年110万4000円)で、在学中に毎年1万円ずつ増える仕組みです。2026年度以前の入学者の学費に変更はありません。

明治大学は、授業料が各年次で5000円ずつ上がり、4年間の算出額は2026年度入学者の498万9200円から500万9200円へと2万円増えます。一方、立教大学は、2026年度入学者と2027年度入学者で同額です。

慶應義塾大学と法政大学は、今回確認できた資料が2026年度入学者向けでした。2027年度入学者の額は、各大学の最新の資料で確認する必要があります。

早慶MARCH関関同立11大学の法学部では、公表資料から算出した4年間の納入額が約455万円から約545万円まで開きました。初年度の納入額は、11大学のうち9校が私立文系の平均121万2235円を上回っています。

学費は入学年度によっても変わります。受験する年度の入学手続要項や各大学の学費一覧で、最新の額を確かめておきましょう。

LIMOでは、4年次に加わる校友会費など比較で見落としやすい注意点と、学費の負担を軽くする公的な支援についてもまとめます。