3. 格落ちが認められるかの分かれ目は?登録からの期間・走行距離・車の骨格部分の損傷・修理代
東京簡易裁判所の判決(2008年12月)は、格落ちがあるか、いくらかは、次の事情を合わせて決めるべきだとしています。
- 【損傷】事故で壊れた場所と程度
- 【修理】修理の内容と、かかった修理代
- 【車の値打ち】事故の時点の車の時価額と車種
- 【使った度合い】初度登録からの期間と走行距離
公開されている3件では、判断が次のように分かれました。
- 【認めなかった例】修理はバンパーやエンジンフードの取り替えなどで、フレームなど車の骨格部分には関わっておらず、修理後は外観も機能も元に戻っていた(東京簡易裁判所 2006年9月)
- 【認めた例】初度登録から6か月余り、走行距離約1万3000kmで追突され、車の重要な部分に損傷が及んでいるおそれがないとは言えなかった(東京簡易裁判所 2008年12月)
- 【認めた例】初度登録から約42か月、走行距離約10万kmでも、後ろの床部分の変形を直したあとに歪みが残っていた(さいたま地方裁判所 2007年8月)
登録から3年半たち、10万km近く走った車でも認められた例があり、「新車かどうか」だけで決まるわけではありません。損傷が骨格部分に及んだか、修理後に欠陥が残ったかも見られています。
4. 格落ちは修理代の何%?公開されている3件の裁判例では0%〜約38.8%、修理代約41.7万円なら0円〜約16.2万円
3件の判決で認められた格落ちを、それぞれの修理代に対する割合にすると、次のとおりです。
- 【東京簡易裁判所 2006年9月】修理代約43.3万円、格落ちは認めず(0%)
- 【東京簡易裁判所 2008年12月】修理代約77.7万円、格落ち10万円(約12.9%)
- 【さいたま地方裁判所 2007年8月】修理代約103.1万円、格落ち40万円(約38.8%)
この割合を、車両保険の統計から置いた修理代約41.7万円に当てはめると、格落ちの額は次のようになります(試算)。
- 【認めなかった例の割合(0%)】0円
- 【約12.9%の例】約5.4万円
- 【約38.8%の例】約16.2万円
※試算の前提:修理代は、損害保険料率算出機構「自動車保険の概況 2025年度版」第26表で、車両保険の「他車・物・人との衝突、接触、転覆、墜落」の支払保険金(2024年度)6895億324万4000円を支払件数165万3269件で割った約41.7万円と置きました。免責金額や全損の支払いも含む平均で、修理代そのものの平均ではありません。
※割合は公開されている3件の判決から計算したもので、目安や相場ではありません。
裁判所が公開している判決3件の格落ちの割合と、修理代約41.7万円に当てはめた場合の額(試算)1/1
出所:裁判所「裁判例検索」、損害保険料率算出機構「自動車保険の概況 2025年度版」をもとにLIMO編集部作成