5. 残クレを選ぶ前に確かめることは?支払総額と、返却の基準の書かれた書面

残クレが合うかどうかは、最終回にどれを選ぶつもりかで変わります。返すつもりなら精算の基準、買い取るつもりなら残価を含めた支払総額が、先に確かめたい点です。見積と契約の書面で、次の項目を見ておきます。

  • 【支払総額と実質年率】残価を一括で払った場合の総額。同じ借入額で通常ローンの見積も出してもらうと比べやすい
  • 【走行距離のプラン】月何kmまでか、超えたら1kmあたりいくらか。通勤や帰省で走る距離と比べる
  • 【内外装の基準】減点何点までか、1点いくらか。事故の修復歴があるときの扱い
  • 【最終回の条件】返却や乗り換えの条件、再クレジットの金利の決まり方

なお、車を自分のものにしないで使う方法には、カーリースもあります。カーリースは仕組みも契約の条件も残クレとは別のものなので、見積は分けて比べるのが分かりやすいでしょう。

6. 【元FP会社スタッフの視点】検証:残クレは月々の額より「最終回にいくら必要か」で見る

試算で見えたのは、残クレの月々の額が約1万2300円安いのは、残価の約50万円を最終回まで先送りしているからだ、という点です。借りている間は金利がかかるので、買い取ると総額は通常ローンより約3万8000円多くなりました。

二種外務員として金融商品の仕組みを学んできた立場から見ると、残価は「数年後の車の価値」をあらかじめ決めておく約束です。ただし、その約束には走行距離や傷の基準という条件が付いていて、条件を外れた分は精算金として返ってきます。

保険の手続きに携わっていた頃も、大事な条件ほど契約の書面の細かいところに書かれていることが多くありました。残クレも同じで、月々の額だけを見て決めるより、最終回にどれを選ぶかを先に決めてから、その場合の総額を見積で確かめるほうが、あとで慌てずに済みます。

また、残価の割合が大きいほど月々の額は下がりますが、最終回に必要なお金と、残価にかかる利息は大きくなります。試算でも、残価を借入の60%にすると、買い取ったときの総額の差は約4万6000円に広がりました。

月々の額は家計に組み込みやすい数字ですが、最終回の残価は数年後にまとまって必要になるお金です。買い取るつもりがあるなら、その日までに残価をどう用意するかも、家計の予定に入れておきたいと思います。

7. まとめ

残クレは、残価を最終回に据え置くことで月々の額を抑える仕組みです。その分、残価にも金利がかかるため、買い取る場合の総額は通常ローンより多くなりえます。返す場合も、走行距離や傷が基準を超えると精算金がかかります。

契約の内容や精算の金額で分からないことがあれば、まずは契約したローン会社や販売店に確かめましょう。説明に納得できないときや困ったときは、消費者ホットライン「188(いやや)」から、お住まいの地域の消費生活センターに相談できます。

※本記事の試算は一定の前提に基づく概算です。実際の月々の額・残価・精算の基準は車種や契約によって異なるため、契約先の販売店やローン会社でご確認ください。

参考資料

下村 美乃莉