福岡発のうどんチェーンが、関東で存在感を高めています。北九州発祥の「資さんうどん」が全国展開を加速するなか、2025年には博多うどんの老舗「因幡うどん」が東京・原宿に進出。2026年11月には「うちだ屋」が横浜に、「ウエスト」が東京・神保町に出店する予定です。
うちだ屋は1977年創業の老舗で、かつおだしを生かしたうどんや、丼もの、定食などを提供してきました。2025年の経営体制変更を経て、店舗のリニューアルも進めています。各社の出店動向を比較しながら、福岡うどんが関東で広がる背景と、全国展開に伴う課題を解説します。
1. 「うちだ屋」が2026年11月26日に横浜へ出店
株式会社うちだ屋は2026年10月28日、関東1号店となる「博多うどん うちだ屋」を横浜市の商業施設「港北みなも」にオープンすると発表しました。
店舗の概要は以下のとおりです。
- 店舗名:博多うどん うちだ屋
- オープン予定日:2026年11月26日(木)
- 住所:神奈川県横浜市都筑区中川中央2-7-1 港北みなも内
- アクセス:横浜市営地下鉄ブルーライン・グリーンライン「センター北駅」「センター南駅」から徒歩約5分
- 営業時間:11時~23時(ラストオーダー22時30分)
オープンから5日間は、各日先着50人にオリジナル携帯スタンドをプレゼントするキャンペーンも実施する予定です。
関東1号店では、うどんを中心に、丼もの、天ぷら、ちゃんぽん、カレー、定食などを提供します。
注目メニューの一つが「和風ちゃんぽんうどん」です。うどんとちゃんぽんを組み合わせた商品で、同社が元祖としています。
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出所:株式会社うちだ屋
うどん専門店とは異なり、複数の食事メニューを用意する和風レストラン型の業態です。家族連れなど、食べたいものが異なる複数人でも利用しやすい商品構成となっています。
2. 1977年創業、最盛期には120店舗超に拡大
株式会社うちだ屋は1977年6月、福岡市東区多々良で創業しました。福岡を中心に店舗を増やし、1990年代から2000年代初頭にかけては、九州のうどんチェーンとして規模を拡大。最盛期には120店舗を超える規模に成長しています。
現在は「うちだ屋」を基幹ブランドとして、「麺勝」「めし勝」「めん勝」の4ブランドを九州一円で展開。2026年6月時点の店舗数は合計44店舗です。
最盛期と比べると店舗網は縮小していますが、2025年の経営体制変更を機に、既存店舗の刷新やブランド再構築に取り組んでいます。
うちだ屋は2025年3月、株式会社こむぎのの傘下に入りました。同社はベーカリーブランド「小麦の奴隷」などを展開しており、堀江貴文氏が経営戦略アドバイザーを務めています。
うちだ屋は買収後、創業以来の味を大切にしながら、既存店舗のリニューアルやブランドの再構築を進めてきました。
今回の関東進出は、九州で培ったブランドを新たな商圏へ広げる動きです。横浜の1号店でどのような顧客層を獲得し、次の出店につなげるかが注目されます。
3. 特徴は「昆布・かつお・いりこ」を合わせた天然だし
うちだ屋の特徴は、ふんわりもちもちとした食感の麺と、だしのうまみを生かしたつゆです。昆布・かつお・いりこを合わせた天然だしを看板に掲げています。
各店舗で味をそろえるため、独自にブレンドした出汁パックを使用。仕込みでは機械任せにせず、丁寧に作業して香り高い味わいを目指しているといいます。
だしの味を支えるのが、独自の「返し」です。返しとは、しょうゆなどを合わせてつゆの味を整える調味料のこと。うちだ屋では、うどんのつゆだけでなく、丼ものの味付けにも活用しています。
さらに、だしを仕込む際に熱した鉄の棒を鍋に入れる独自の工程もあります。同社は、南部鉄瓶で沸かした湯の口当たりになぞらえ、だしをまろやかにし、味わいに深みを持たせる工夫と説明しています。
4. 直近の出店戦略と今回の関東進出の狙いを解説
うちだ屋は、こむぎのの傘下に入った2025年以降、既存店舗のリニューアルを進めています。
2025年11月には創業の地である多々良店を旗艦店として刷新。その後も、グループ内の既存店舗を「うちだ屋」ブランドへ転換する取り組みを続けています。
2026年7月には、大分県中津市の「麺勝 中津店」を「博多うどん うちだ屋 中津店」としてリニューアルしました。既存店舗を活用することで、新たな物件を確保して一から店舗を設ける方法とは異なる形で、ブランドの展開を進めています。
今回の横浜出店は、九州での店舗再構築と並行して、新しい地域へ進出する動きです。過去に120店舗を超える規模へ成長した同社が、現在の店舗網を土台に再成長を目指すうえで、関東1号店の実績が重要になります。