4. 【元後期高齢担当の実感】75歳の通知が届くと、保険料の計算根拠を聞かれることが多かった

自治体で後期高齢者医療制度の保険料の賦課を担当していた頃は、通知書が届いたあとに「この金額はどう計算されたのか」と聞かれることが多くありました。

均等割と所得割の2つで決まること、所得割のもとは前年の所得であることを、窓口で順に説明していました。

4.1 国民健康保険から切り替わった年は、前の制度の金額と比べたくなる

75歳になる前は国民健康保険の保険料を払っているので、切り替わると、金額を比べたくなるのが自然です。ただ、料率は制度ごとに別に決まるので、同じ所得でも金額は変わります。

5. 国民健康保険料と後期高齢者医療保険料を比べる前に確認したい3つの前提

杉並区のページを手がかりに、比べるときに押さえておきたい前提を整理します。

5.1 料率は市区町村と広域連合で別に決まる

杉並区のページでは、国民健康保険料は区の料率として、後期高齢者医療の保険料は東京都の料率として載っています。この記事の金額は、その料率で計算しているので、お住まいの地域では差が変わります。

後期高齢者医療の保険料は、被保険者一人ひとりに賦課徴収されます。国民健康保険料は、各世帯に保険料額通知書が送られます。

5.2 国民健康保険の子ども支援金分は18歳以下の均等割が全額軽減される

杉並区の国民健康保険では、令和9年3月31日時点で18歳以下の方に係る子ども支援金分の均等割は、全額軽減されます。未就学児の均等割は半額です。74歳の単身の例には関係しませんが、世帯に子どもがいる場合は、この点も違いになります。

5.3 均等割の軽減(7割・5割・2割)は世帯の所得で判定される

国民健康保険は、7割が43万円、5割が43万円に31万円と被保険者数をかけた額、2割が43万円に57万円と被保険者数をかけた額を加えた式で判定します。給与所得者等が2人以上いる世帯は、10万円と人数から1を引いた数をかけた額が加わります。

後期高齢者医療も、5割が31万円、2割が57万円と、同じ形の式です。令和8年度は、医療分に限り、7割の軽減割合が7.2割になると、杉並区のページに書かれています。

単身で被保険者が1人の場合を式に当てはめると、7割は43万円、5割は74万円、2割は100万円です。この数字は編集部の試算で、65歳以上の方は年金所得から15万円を引いて判断するため、実際の判定とは異なる場合があります。

東京都後期高齢者医療広域連合には、所得割の軽減もあります。保険料計算のもととなる所得金額が15万円以下なら50%、20万円以下なら25%です。この記事の3つの例は、所得金額が107万円、157万円、257万円なので、対象になりません。

6. 【確認したいこと】通知書の内訳と、市区町村の窓口で聞いておく3つのこと

自分の保険料が、この記事の試算と同じになるとは限りません。次の3つを、通知書や窓口で確かめておくと安心です。

  • 通知書の内訳で、均等割と所得割がそれぞれいくらになっているか
  • 均等割の軽減の対象かどうかと、その割合
  • お住まいの地域の料率と、令和9年度の保険料の扱い

分からないことは、お住まいの市区町村の国民健康保険や高齢者医療の担当窓口で聞けます。保険料の計算は、前年の所得の申告がもとになるので、申告の内容もあわせて確かめておきたいところです。

7. まとめ

杉並区と東京都の例では、総所得金額等が150万円、200万円、300万円の単身の方は、74歳の国民健康保険料より、75歳の後期高齢者医療保険料のほうが、年に1万7181円から2万3781円低くなる試算です。

料率は地域で違い、世帯の人数や軽減の判定でも変わります。自分の金額は、通知書の内訳と、市区町村の窓口で確かめてください。※本記事は、編集部が杉並区など公的機関が公表する最新の一次資料を直接確認の上、執筆・検証しています。

参考資料

齊藤 慧