2. 学校内の事故の治療費は?災害共済給付で医療費の4割(自己負担3割+1割)が出て、小学校の平均なら1件約4965円
けがをした子の治療費には、日本スポーツ振興センターの災害共済給付が使えます。学校の管理下のけがで、初診から治るまでの医療費の総額(10割分)が5000円以上なら対象です。令和6年度の加入率は、小学校・中学校とも99.7%です。
給付されるのは、医療保険並みの医療費の4割です。内訳は、窓口で払う自己負担の3割に、療養に伴う費用としての1割を加えたものです。
- 【医療費の総額1万円あたり】健康保険から約7000円、窓口の自己負担は約3000円、災害共済給付は約4000円(自己負担分の約3000円+約1000円)
- 【小学校の平均給付額 約4965円】医療費の総額は約1万2413円、自己負担は約3724円で、約1241円が上乗せ分
- 【中学校の平均給付額 約6666円】医療費の総額は約1万6665円、自己負担は約5000円で、約1667円が上乗せ分
※試算の前提:医療費の総額は、日本スポーツ振興センター「令和6年度 災害共済給付状況」の学校種別の平均給付額(医療費の給付金額÷給付件数)を4割で割り戻しました。高額療養費や入院時の食事代の加算、自治体の医療費助成は考えていません。各金額は個別に四捨五入しているため、内訳の合計と平均給付額が1円ずれる場合があります。
例)医療費の総額が1万円・学校種別の平均の場合 学校内の事故の治療費のうち災害共済給付で出る額1/1
出所:日本スポーツ振興センター「令和6年度 災害共済給付状況」、同「給付金額」をもとにLIMO編集部作成
令和6年度の医療費の給付は151万2610件で、金額は約112.7億円でした。けがをした子の家庭は、学校の設置者を通じてこの給付を受け取ります。
3. 学校内の事故で歯が欠けたら?1本につき歯牙欠損見舞金8万円、3本以上に歯科補綴が必要なら障害見舞金88万円から
歯のけがには、医療費とは別の見舞金があります。学校の管理下のけがで歯が1本以上欠けたときは、障害見舞金に当たる場合を除いて、1本につき8万円の歯牙欠損見舞金が出ます。
- 【1本以上の欠損(障害見舞金に当たらない場合)】1本につき8万円
- 【3本以上に歯科補綴(第14級)】88万円
- 【5本以上に歯科補綴(第13級)】150万円
- 【7本以上に歯科補綴(第12級)】225万円
※障害見舞金は学校の管理下の場合の金額で、通学中は半額です。
令和6年度は、歯牙欠損見舞金が64件で520万円、障害見舞金334件のうち歯の障害は51件でした。
4. 親の責任が問われたときに使える保険は?個人賠償責任保険は法律上の賠償責任の分を補償し、火災保険・自動車保険の特約でも入れる
災害共済給付は、けがをした子の側に出るお金です。けがをさせた側の慰謝料や賠償金を肩代わりするものではありません。
けがをさせた側の家庭で使えるのが、個人賠償責任保険です。日本損害保険協会によると、日常生活の偶然な事故で他人にけがをさせ、法律上の損害賠償責任を負ったときに、その賠償金を補償します。単独のほか、火災保険や自動車保険の特約としても契約できます。
- 【補償される家族】本人、生計を共にする同居の親族、生計を共にする別居の未婚の子(これまでに婚姻歴がない子)
- 【補償されない主な例】わざと起こした事故、同居の親族への損害など
- 【示談代行サービス】付いている商品と付いていない商品がある
補償されるのは、法律上の賠償責任がある分です。親や子どもに賠償の責任がないと判断されれば、保険金は出ません。相手の家庭と金額を約束する前に、加入している保険会社に連絡して、手順を確かめておきたいところです。