3. 医療費控除で年収210万円の人に戻るのは住民税が中心?令和8年分は年収約209万円まで所得税がかからない
国税庁「No.1800 パート収入はいくらまで所得税がかからないか」によると、令和8年分は、給与の収入が178万円以下(給与所得控除74万円と所得税の基礎控除104万円の合計)で、ほかに所得がなければ所得税はかかりません。
さらに社会保険料控除があるため、試算の前提では、給与だけの人は年収約209万円まで所得税がかかりません。
このため、年収210万円の人が医療費10万円で医療費控除を受けると、戻る約3700円のうち所得税の還付は約500円です。残りの約3200円は住民税の減額です。
住民税の医療費控除も、所得税と同じように、10万円か総所得金額等の5%の低いほうを引いて計算します(大阪市「所得控除額の計算」)。
住民税が減るのは、医療費控除を申告した翌年度の住民税です。所得税がもともと0円で還付がない人でも、申告すると住民税が減る場合があります。
ただし、単身で合計所得金額が45万円以下(給与だけなら年収119万円以下)など、住民税がかからない人は減る税金がありません。
4. 医療費控除とセルフメディケーション税制はどちらを選ぶ?通院8万円と市販薬3万円なら、年収210万円は医療費控除、487万円はセルフメディケーション税制のほうが多く戻る
国税庁「No.1129 セルフメディケーション税制」によると、健康診断や予防接種などの取組を行っている人は、対象の市販薬(スイッチOTC医薬品など)の購入額のうち1万2000円を超える分を、8万8000円を上限に控除できます。
通常の医療費控除とは、どちらか一方を選びます。
- 【年収210万円】医療費控除なら約4700円、セルフメディケーション税制なら約2300円
- 【年収487万円】医療費控除なら約1500円、セルフメディケーション税制なら約2700円
年収210万円の人は、医療費から引く額が6万8000円と小さく、医療費控除が4万2000円になります。
年収487万円の人は10万円を引くため、医療費控除は1万円にとどまります。この場合は、1万8000円を控除できるセルフメディケーション税制のほうが多く戻ります。
※試算の前提:通院の医療費8万円と、セルフメディケーション税制の対象の市販薬3万円(合計11万円)。そのほかの前提は、年収別の試算と同じです。
医療費控除は、所得が少ない人ほど医療費から引く額が小さくなり、医療費が10万円に届かなくても税金が戻ることがあります。通院の医療費と市販薬のレシートを1年分まとめて残し、どちらの控除が多く戻るかを確かめておくと安心です。