5. NHK受信料の解約の届け出が遅れると割増金がかかる?割増金の対象は届け出の虚偽などの不正と、契約の申し込みの遅れ

規約の第12条は、割増金を請求できる場合を定めています。解約にかかわるのは、解約の届け出の内容に虚偽があったときなど、不正な手段で受信料の支払いを免れたときで、支払いを免れた受信料に加えて、その2倍に当たる割増金を請求できるとしています。

もう一つは、受信機を置いた人が、置いた月の翌々月の末日までに受信契約書を出さず、期限を過ぎてから契約した場合です。解約の届け出が遅れたことは、第12条が挙げる場合には含まれていません。

一方で、規約の第9条は、届け出の内容に虚偽があると分かったときは、届け出の時点にさかのぼって解約されないものとすることができると定めています。テレビが残っているのに処分したと届け出ることは、割増金の対象になり得ます。

6. 【検証】試算から見えること:前払いの割引より、届け出の1か月の遅れのほうが戻る額を大きく減らす

地上契約の6か月前払額6309円は、月額1100円の6か月分6600円より291円安く、割引は約4.4%です。これに対して、テレビを処分してから届け出が1か月遅れると、戻る額は1100円減ります。

試算では、前払いの期間が5か月たってから届け出ると、戻る額は約809円で、月額の1100円を下回ります。前払いの割引で得た291円は、届け出が1か月遅れた分の約4分の1にとどまります。

経過期間が6か月以上になると、第11条により、最初の6か月を6か月前払額で払ったものとして計算します。12か月前払いの途中で解約しても、経過した期間の割引は残る仕組みです。

戻る額を左右するのは、前払いかどうかよりも、テレビを処分した日と解約を届け出た日の間の月数です。処分の日が決まったら、その月のうちにNHKふれあいセンターに連絡すると、受信料のずれは小さく済みます。

解約は、NHKが届け出の内容を確かめてから成り立ちます。処分したテレビ以外に受信できる機器がないか、同じ世帯の人がNHKの配信を見ていないかも、届け出る前に確かめておくと手続きが進めやすくなります。

7. まとめ

NHK受信料は、テレビを処分しただけでは止まりません。日本放送協会受信規約では、受信契約は解約の届け出があった日に解約され、受信料は解約となった月の前月まで払うことになります。

6か月前払いの地上契約なら、届け出が1か月遅れるごとに戻る額は1100円減ります。テレビを処分したら、受信機や配信の条件を確かめたうえで、早めにNHKふれあいセンターに連絡して解約を届け出ることが、払う受信料を抑える近道です。

※本記事の試算は、2026年10月27日時点の日本放送協会受信規約に基づく概算です。実際に戻る額や解約の扱いは、NHKが届け出の内容を確かめたうえで決まります。詳しくはNHK受信料の窓口でご確認ください。

参考資料

下村 美乃莉